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another story-ほんとのところ㉒

デートの前日。
ようちゃんはお仕事だった。
いつも、レッスンの空き時間にメッセージを読んだり返信をしてくれる。

夕方8時を過ぎた頃、一通のメッセージが届いた。

ーなぎちゃん?ごめんね。
明日、母親を病院に連れて行かなきゃいけなくて・・・
間に合いそうにないの。ほんとに、ごめんねー

そんな・・・
楽しみにしていたのに・・・
でも、お母さんの体調が悪いなら仕方ない。

そして、以前ようちゃんが話してくれた家族の話を思い出す。

ようちゃんは3人兄弟のいちばん下で、上のお兄さんとは9歳離れていて
長男は一、次男は二、ようちゃんは三の一文字が名前に入っていること。
ようちゃんはお母さんが34歳のとき出産した子どもで
三人目は女の子が欲しかったんじゃないかなぁ?と言っていたこと。
お兄さんは離婚して両親と同居していること。

お兄さんは会社勤めだから、月曜日に休んで病院に行く事は難しいから
月曜日が休みのようちゃんに頼んだのかもしれない。

ようちゃんが嘘を付いていると疑う自分が嫌だった。

ー心配だよね。ようちゃんが着いていたら、お母さんも安心すると思うよ。
付き添ってあげてね。また、今度ねー

ーごめんねー

そんなに何度もごめんねを言わないでよ・・・
私が惨めな気分になっちゃうよ・・・

次の日。
仕事を休みにしていたけれど
結局体調が悪いと嘘をついてベッドから出ることができなかった。

こんな日を過ごしたのは何年振りだろう・・・


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