映画「七人の侍」感想        ※ネタバレを含みます

白黒なのに、色がついて見えた。
色あせないという言葉の意味を、この目で見た。
誰がための戦いか。これは、誰の葛藤か。現代に通ずる、けれど現代では表現できない何かがそこにあった。

映画を観た感想を書きたいことだけ書きます。

おもしろかった!!!!!!!!!!!!!!

七人の侍という言葉は知っていました。あと黒澤明監督の名前も。けれど、どんな内容かまでは知りませんでした。如何せん2000年以降の生まれなので。
お正月って映画結構してるじゃないですか。それで録画してみました。
映画はすごく長くて、休憩の時間が挟まるのがすごく驚きました。
あと時代が昔なので知らない言葉がいっぱいあったので調べながら見ました。字幕なしでは理解しきれなかったと思います。

あらすじ
ざっとしたあらすじです。
戦国時代末期。山間にある農村、そこに住む村人たちは定期的に来る野武士におびえ、辟易としていました。次に作物が実をつける頃にまた村を荒らしに来ることが判明し、村人たちは戦ってくれる侍を町へ探しに行きます。報酬は白米を腹いっぱいに食わせること。しかしなかなか相手にされません。途中、米を盗まれたり(違ってたらすみません)、仲間探しに悪戦苦闘しながら、七人の侍が揃います。
さて、もうすぐ野武士がやってくる頃です…。戦いの場は農村。侍たちが立てた作戦とは。その後の彼らの運命とは…。

好きなキャラ
好きなキャラは勘兵衛と勝四郎、久蔵と菊千代でしたね。
あの、勘兵衛が仲間になってくれてからの百人力感がすごくて、勘兵衛がいたからこそ侍が揃ったのかなと思います。
勝四郎と久蔵はカッコいいので個人的に好きでした。

次、菊千代~!! 菊千代は語ることがありすぎてマジで味わい深いキャラでした。
凄く個人的になんですけど、菊千代がいたから私はこの映画を一気見できた気がしてます。
菊千代の家系図盗んでくる感じとか、川で魚捕まえてる感じとか、村の野武士が来た合図(?)を鳴らしてみる感じが、多分、現代のわんぱく少年とかガキんちょに通ずるところがあって親しみやすかったですね。憎めないキャラ。

菊千代がね、百姓の出だってことは割と早くに気付きました。

あと菊千代について語ることは、やっぱり鉄砲の下りですね。
鉄砲を取ってきた久蔵に憧れて、嫉妬したのかな。対抗意識を燃やして勝手に二挺目の鉄砲を取って帰ってきちゃうんですよね…。それ自体は大きな貢献だと思うんですけど、勝手に持ち場を離れたのが良くなかったですね。
結果、侍の一人、与平や、多くの村人が戦死してしまいます。

好きなシーン
好きなシーンは、せっかく侍を村に呼んだのに怖がって家に隠れる村人たちと、侍たちのシーンです。
普通に失礼すぎて笑いました。
自分たちで呼んでおいて、勝手に怖がるその器や度胸の小ささ。いざ野武士が来た合図が鳴ると(菊千代が鳴らしました)侍たちに助けを求めるその浅ましさ。
しかし彼らもそうなってしまった理由があるんだと思います。侍が村に来る直前に娘の髪をめちゃめちゃに切る父親から恐怖とか偏見が広がったのかなと思います。小さい村ですから。
あと、野武士が理不尽に攻めてきてひもじい思いもしてましたし…。

誰がための戦いか。これは、誰の葛藤か。
結局、誰が主人公なんでしょうか。この映画。私はラストシーンを観て、ああ、これは百姓たちの戦いだったのかも。と思いました。勘兵衛のセリフもね。
そして、この映画は葛藤のシーンが鮮やかだったと思いますね。仲間になるかどうかや、恋の葛藤が。

まとめ

私にとっては古い映画なので正直楽しめるか、理解できるか不安でした。
しかし杞憂でした。
色あせないとはこのことかとまざまざと思い知らされました。
また、白黒映画なのに、登場人物たちの細かすぎる動きや、感情の揺れ動き、自然な感じから色がついていたように思いました。
時代を超えて送られた名作のギフト、七人の侍。
現代に通ずるほどの面白さ。しかし、現代では表現できないことの連続。
例えば、水車がついた家屋はその辺にはないだろうし、馬に乗れる役者さんは今はどれだけいるのでしょうか。あの空の広さはどう表現しましょうか。
いえ、別に今でもあの感じを表現しようと思えばできるのでしょうけど、「造る」ことへの労力が途方もないと思います。

時代が作った黒澤明監督の名作、「七人の侍」。半端じゃなく面白かったです。この映画を観れてよかった。皆様もぜひ。

ここまで読んでくださりありがとうございました。またお会いしましょう。
NAGI


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集