月曜の昼。京都の夏と関東の夏。
昼休みに外に出た。
日曜の雨から一変、日差しが地面にくっきりした影をつくっている。
私は紺色の日傘をさして、職場を離れる。
公園のベンチに座る。2組の親子連れがジャングルジムで遊んでいる。
真四角ではなくグニャグニャとした、変わった形のジャングルジムだ。
必要な電話を2件かける。1件は留守番電話につながる。留守電に声を残すのはいまいち苦手だ。伝えるべきことを過不足なく、聞きやすくと思うのだけれど、「えっと…」などと余計な言葉が間に入る。今回もやはりうまくいかず、逃げるように終話ボタンを押す。
蚊が寄ってくる。ベンチで動かない人間は格好の餌食だ。電話を終えたら早々に退散した。
日傘をさして広めの歩道を歩く。じんわりと汗が滲んでくる。
猛暑というけれど、強烈なまでの暑さにはまだ出会っていない気がする。
京都に住んでいたとき、突き刺すような力強い暑さと毎年戦っていた。
気温でみると2,3度の違いだけれど、空気そのものの質が違う気がする。京都の夏は、観光客の人口密度と相まってか、茹で上がるような空気だ。じりじりと焼かれるアスファルトさえも悲鳴を上げるような暑さなのだ。
ぼわんとした関東の夏の中を歩く。職場に戻りたくないなと思う。
午後には面談が数件入っていたけれど、それが憂鬱なわけではなかった。
ただ、毎日同じ人たちと、同じ空間の空気を吸って吐いているということがたまらなく窮屈に思えた。月曜はこういう心境に陥りがちだ。
午後は予約以外の来所もあってけっこうバタバタした。
モンゴル出身の人が、明日家を追い出されてしまうと相談に来た。
「役所×外国人」というのはなかなか難しい組み合わせだ。彼らは持っている言語や常識がまるで違って、ときにお互いにフラストレーションがたまる一方になってしまう。
コロナ禍で大変な思いをしている外国人は山ほどいる。
彼女はなんとか家をなくさずに済んだ。
あまりに対応が後手後手だったので、少し説教をした。
伝わったかどうかは自信がない。