香る風は薄桃色に
夜風の冷たさ白色に

永続する季節に耽溺し
刹那に命を重ねていく
儚さの勘定は陳腐かな

膨らむ蕾は赤色に
散る花弁は透明に

華麗な活力に振動し
古淡の趣に目を閉じる
見上げる夢は高らかに
幻滅の後を歩き出す

桜蕊降る灯火のごとく

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