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コンサルタントの加点回帰 Vol.5:患者さんとの真剣勝負は医療PRの醍醐味

前回に続いて今回も患者さんとのつながりや患者力をテーマとしたブログ記事をご紹介します。今回久しぶりに読み返してみて、多くの患者さんと出会い、様々なことを学ばせていただいた幸運に改めて感謝しています。最後に患者支援活動に関する情報も含めていますので、少しでも多くの方にお読みいただけると幸いです。

【タイトル】
患者さんとの真剣勝負は医療PRの醍醐味(2009年11月18日発信)

【本文】
医療PRをやっていて最も楽しい瞬間をあげるのは難しいですが、“最も勉強になる瞬間は?”と聞かれると、迷いなく「患者さんと触れ合っている時」と答えます。

医療PRの目的は医療や健康に関する情報を必要とされている患者さんやご家族に伝えることです。

しかし我々は患者さんを単にメッセージを伝える相手とは考えておらず、大切なパートナーであり、PRの先生だとも考えています。

その理由は主に以下の3つです。

1.病気と向き合っておられる当事者なので
極めて当たり前のことですが、我々のような職種はクライアント企業の視点でモノを考えたり、自分たちの都合のよい解釈をしてしまいがちです。

患者さんと触れ合い、語り合うことで現場感覚が養われ、“誰に何を伝えるための活動なのか”という原点を見つめ直すことができています。

2.創意工夫や自由な発想に驚かされるので
病気によっては食生活や活動が制限されたり、お身体が不自由な患者さんとお付き合いさせていただくこともあります。

もちろんご苦労・ご不便も多いはずですが、制約を受け入れるだけでなく自由な発想や豊富なアイデア発揮の機会に変えておられる患者さんも数多くおられます。

「必要は発明の母」という言葉を実践されている方々に対しては畏敬の念を抱かずにはいられません。

3.言葉の重みが違うので
仕事柄、私はメディアトレーニングなどでメッセージ性を強化させるための考え方や手法を講義することがあります。

もちろん話法や外観などもメッセージ性強化の要素ですが、最も重要なのは「魂」というか「信念」というか、とにかく「内面から湧き出る熱い思い」以外にありません。

私自身も多くの患者さんと出会いましたが、皆さんの根底には「自分の体験を他の患者さんの治療に役立てたい」「自分と同じ苦労をしてほしくない」という共通した思いが流れている気がします。

自分がメッセージを発信することの意義・目的が明確なので言葉に迷いや濁りがなく、結果的に言葉の重みが全然違うというのが私なりの分析です。

このように患者さんから学ぶことは非常に多いので、お話させていただく際はいつも真剣勝負です。そして、別れた後はいつも充実感と心地よい疲労感で満たされます。

一方、我々がお付き合いさせていただいている患者さんはごく一部で、多くの患者さんは情報入手に苦慮されているのが現実です。

だからこそ我々も創意工夫を重ねながら患者さんのパートナーとして正しい医療情報の普及・浸透に貢献していきたいと考えています。

次の真剣勝負を楽しみにしつつ。

【2020年8月30日の書き加え】

当該記事を書いたのは10年以上前(2009年11月)ですので、当時よりも今のほうが病気を身近に感じるようになりました。

また、私自身が患者の立場になることも経験しましたが、自らの病気や治療に向き合うだけで精一杯であり、「この経験を他の患者さんの治療に役立てたい」とまではなかなか思い至らなかったのが実情です。

よって、我々の活動にご協力いただいた患者さんに対して“真剣勝負”や“醍醐味”といった表現を用いたのは少し軽率で不適切だったのではないかと反省しています。

この度、フリーランスのコンサルタントとして再始動することにより、自由に行動できる時間は確実に増えますので、(過度のご負担をおかけしないよう十分に気をつけつつ)患者さんとご一緒させていただく機会を積極的に模索していくつもりです。

ささえあい医療人権センター COML(コムル)」「HOPE★プロジェクト」「メディエイド」「リレー・フォー・ライフ」など、患者支援や疾患啓発において素晴らしい取り組みを実践されている組織・企業は数多くありますので、これまで以上に真摯に謙虚に、そして感謝の念を忘れることなく協働していきたいと考えています。

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