夏になると足がだるくなる原因と対処法
主に女性のクライアントさんですが、毎年6月くらいから「足がだるい」と仰る方が増えます。
会社に行くときは、駅で階段を登っても特に気にならないそうですが、帰宅時になると階段を登ることさえきつく、エスカレーターが設置されていないことを恨めしく感じるのだとか。
足のだるさには、基本的にむくみが伴います。酷い方だとパンプスがきつくて痛みを感じてしまい、「余計に歩くのが嫌になってしまう」のだとか。
今回は夏になると足がだるくなってしまう原因と対処法をまとめてみました。
1)夏になると足がだるくなる理由
暑い季節になると足がだるくなる主な理由は血流が停滞傾向になるためです。寒い時期であれば、血管は収縮し血流が悪くなります。逆に夏になると、血管が広がり血の流れは良くなります。
暑い時期には、それこそ、足のつま先にいたる毛細血管まで血が駆け巡るわけですから、普通に考えると「健康的で良いことじゃない?」と思えなくもないです。
確かに血のめぐりが良い状態は歓迎すべきことですが、それには、「末梢にまで到達した血液がスムーズに心臓に戻ってくるなら」という条件がつきます。
逆に言えば、何らかの事情によって足の血液が心臓に戻りにくくなってしまうと様々な弊害が生じるのですが、足のだるさもその中のひとつです。
その点、冬であればお風呂にでも入って、しっかり温まらない限り身体の隅々にまでは、なかなか血液が周りません。そもそも、足へ行く血液の総量が少ないのですから、停滞して足がだるくなる可能性が低いのです。
2)足の筋肉が重要
心臓のポンプ運動によって、身体の隅々まで血液を送り届けているのですが、足へ行った血液は重力に逆らって心臓に戻す必要があります。
ですが、心臓だけで全てを賄っているわけではありません。
その「血液を心臓に戻す」働きの補助を担っているのが足の筋肉で、歩いたり走ったりする際に筋肉を収縮させることにより補っています。
長時間のデスクワーク、あるいは、新幹線や飛行機など長い距離を移動する際に、足がむくみやすくなるのは、補助を得られないためですね。
余談になりますが、歳をとると足の筋肉が衰えるため、心臓はより強く躍動しなくてはなりません。その結果、加齢と共に血圧が上がりやすくなります。
言い換えると、足の筋力を保ち続けることができれば、高血圧になる可能性を軽減できるのです。
3)足のむくみに冷房が良くない理由
暑さによって、全身の血管が拡がっている状態から、冷房のよく効いた部屋に入ると血管は急激に収縮します。この時、末梢の血管には血液が残されたままです。
その状態で、いきなり血管が狭くなってしまうと、心臓へと繋がる血管は大渋滞になります。
そうしますと、停滞した血液やリンパ液によって足がむくみはじめるのと同時に、足全体が重だるく感じるようになるというわけです。
従いまして、「寒い」と感じるくらい冷えた室内と、汗が止まらないレベルの暑い室外を行き来する回数が増えるほど、足はむくみやすくなります。
肩こりや首こりも、血液の流れが悪くなり、老廃物が溜まることによって生じるのですが、それと同じで、血流が悪化し老廃物が蓄積していけば、足はむくみ、だるくなってしまうのです。
4)女性は足がだるくなりやすい理由
足のポンプ機能は、主にふくらはぎ、太もも(特に裏側)の筋肉の状態に左右されます。男性と比較した場合、一般的に女性の方が筋力は少なめですから、足のだるさやむくみに悩まされる人に女性が多くなってしまうのも頷けるお話しですよね。
さらに、女性が不利な条件としてパンプスを履くと、つま先は閉じられてしまい隣の指同士が密着した状態になります。つまり、靴の中で足の指をひろげるだけのスペースがありません。
そもそも、パンスト自体が足の指を開くことが可能な構造どころか、足の指を、より密着させるような作りになっています。
足の指が動かせなくなると、それと連動してふくらはぎや太ももの動きまで制限されてしまい、筋肉ポンプは本来の働きができません。
男性と比較すると残念ながら女性の方が、足がむくみやすく、だるくなりやすい条件が揃っている事は明らかです。
5)今すぐに足のだるさを解消したい
足のだるさ、むくみが酷すぎて、「とにかく今すぐになんとかしたい!!」と即効性を期待する方には、着圧ソックスが最も効果的でしょう。
ふとももから、ふくらはぎまでを圧迫することにより血液の停滞を許さないどころか、そもそも末端の血管に届く血液が減少しますので、足のだるさ、むくみから速やかに解放されます。
ただ、毎日使い続けると、着圧ソックスがきっかけとなり、他の健康問題が生じかねません。メリットとデメリットを把握したうえで、上手く利用する必要があります。
着圧ソックスを賢く利用しつつ、下記でご紹介している対処法と合わせて、足のだるさ、むくみを改善していってください。
6)足がだるく、むくむ時の対処法
まず職場や自宅で、可能な限り足が冷えて血行が悪くなってしまう機会を極力減らしましょう。
特に就寝時に冷房の温度を低めに設定している方は、暑いからといって、ふくらはぎをさらけ出して眠ると足が冷えてしまい、足のだるさ、むくみを助長しますので注意が必要です。
お風呂に入った時や、お風呂上りに自分でマッサージをする習慣をつけると、老廃物の循環を促してくれますので予防や解消に効果があります。
次に、少しでも足のだるさ、むくみを軽減させるためには、とにかく足を動かすことを心掛けることが大切です。
可能であれば、職場に着いたらつま先が自由に動かせるサンダルに履き替えてしまい、足の指でグーと、パーをする運動を繰り返しましょう。そうしますと、つま先と連動してふくらはぎも収縮し、筋肉ポンプの働きを促進することができます。
「サンダルに履き替えるとか無理・・・」、「そもそも足を動かしている暇なんてないよ!」という方は、それなら致し方ありません。
周囲に気付かれないよう気を配りつつ、こっそり貧乏ゆすりをしましょう。マナー違反であることに目をつぶれば、貧乏ゆすりは優れた運動方法だったりします。
何もせずに放置してしまうと、良くて現状維持、普通は年々悪化していく、という事だけは忘れずにいてください。