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中島知久平の「必勝戦策」。「生産増強敢闘策」の終りまで

 いつものように写真をアップしまーす。

 打ち込みまーす。

 更に一歩を進めて、仮に外郭防衛戦の防備の完璧を期し得たとしても、それで日本の安全かと云うと、そうは行かない。

 外郭防衛戦は如何に堅固であっても、敵の六発爆撃機が直接我が生産源を爆破して仕舞う場合には、日本は戦力を喪失して、抗戦不能となり、重大危機に逢着することは必至である。

 又、敵の六発空の要塞が、独逸の戦力源を爆砕し、ために独逸が戦力を喪失して崩壊する場合には、枢軸側の全敗となり、悲惨なる運命に突入するに至ることも瞭である。

 斯くの如く、本項の構想水準は極めて凡俗浅薄情なる方(妄)策にして、断じて皇国保全の道にあらざることは、一、二、の外交妄策と同一にして、選ぶ所はないと申さざる得ないのであります。

 そこで、この重大な危機を急速に打開し、聖戦の目的を達成するためには、現在の構想水準では皆駄目である、どうしても、普通の構想水準を甚だしく超躍せる、雄渾なる画期的新構想に俟つ以外に道はない云うことに帰結するのであります。

 では意訳短縮の砕け表現をしまーす。

「仮に防衛戦を広げたら日本は安全かと言うとそうではない。如何に強固でも敵の六発爆撃機が本土爆撃すれば、日本は戦力を喪失て抗戦不能に必ずなります。

 また、六発爆撃機がドイツを爆破すればドイツは崩壊し、枢軸側の全敗になります。

 以上のように最初に提示した構想水準は極めて低レベルで、外交策と同レベルに等しく、選択するまでもないです。

 そこで、この重大な危機を急速に打開しするのは今までの構想をはるかに超える画期的な構想以外に道はないです」

 あたりでしょう。

 とにかく、「あれも駄目、これも駄目」となれば、「じゃあ、どうすんのさ!」となります。

 次回は、「第三、必勝戦策ニ関スル新構想」と、対案の紹介です。

 はい。今日の旧仮名遣いのお勉強です。

雄渾←ゆうこん 読めたが意味は初めて知った

俟つ←まつ 「待つ」とはニュアンスが違う模様


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