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日記的なもの 43「人身事故を起こした過去的な話」

 以前に車両による事故を起こしてしまったことがある。
 仕事中にワンボックスに乗っていて車庫入れする際に、バックをしていたら原付が突っ込んできていたらしく、車両の下に巻き込んでしまった上に、俺も車が何かに乗り上げた感覚があったのだが駐車場に入る際に歩道との段差での衝撃かと思ってすぐには気づかず、数秒ほど車を動かしてしまっていた。
 で、サイドミラーを見たときに何かがあるのに気づいて、窓から顔を出して初めて事故に気付いたという経緯である。

 相手は全治3か月。
 一応全部を会社にお任せしていて、当初は向こうから10対0の比率で責任を問われたらしい。
 その後、8対2まで下げたと保険屋から連絡が来て、ついでにお見舞いに行こうかと思って話をしたら、今回はお見舞いはしない方がいいと言われた。
 相手方が感情的な方で、現時点で納得をしてもらい手続き関係はそのまま通す方向で動いているところに、当事者のお見舞いで感情がどのように揺さぶられるか分からないのでできれば行かないでほしい、との話。

 そういうこともあるのか?
 と聞いたら、最近は以前よりも増えている、とのこと。
 保険屋の話では、お見舞いに行かれようとする心遣いは悪いものではないけれど相手の顔を見て感情的になる方が増えているので、もし相手への謝罪を、と思うならばお見舞い状という形で私の方で書いて渡しておきますよ、とのことだったのでお任せすることにした。
 変にこじれるよりかは、ベテランにお任せしてしまおう。

 まぁ、俺の方は事故を起こしたということで罰金を覚悟していた。
 インターネットで罰金額を調べると、全治3カ月だと50万円とか出ていて放心したものだ。

 だが、すべて会社持ちとなった。この件に関して、俺は一円も払わずに済んだということになる。まぁ、会社自体はクビ同然で退職したが。
 あ、辞めさせられたわけじゃなく、「続ける気はある?」と聞かれて「運転するのは怖い」と答え、でも運転以外に仕事がない旨を伝えられて、それなら辞めさせていただく、という流れ。
 会社の方も、仕方ないね、って感じだった。
 いまだにあの会社には本当に申し訳ないと思っている。

 ちなみに事故発生時に現場を見ていたらしい爺さんがいて、警察の鑑識が現場調査をしていたら、「目撃していた」と名乗り出てきた。
 爺さんの声がでかく、少し離れた場所にいた俺のところにも話の内容が聞こえてきて、
「猛スピードでいきなりバックした」
「10メートルくらい引きずっていた」
とか事実と全く違うことを偉そうに話していた。
 事故を起こした本人だから俺がここで反論しようものなら、言い合いになるだけだろうと思って黙っていたが、さすがに腹が立った。
 その爺さんが帰った後に鑑識の人が俺のところに来て
「あの人の話は気にしなくていい。あれは見ただけで、でたらめしか言ってないのは分かるからね。現場の跡を見ても1メートルくらいしか動いていないし、速度も全然出ていないことはブレーキ痕を見れば明らかだから」
と教えてくれたので溜飲が下がるとともに、鑑識の人ってすげー、と感心した。

 その後、違反点数は9点ということで済み、しかもそれから数年間運転をしなかったおかげで、今ではゴールド免許です。
 うん、ゴールドってのは優秀免許じゃ無いってことがよく分かるね。

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