ライオンキングと大海人皇子と
先日、とある高校の文化祭に足を運び、とあるクラスの演劇で「ライオンキング」を観た。
そう、偉大なる父ムファサの後継争いを行った、ムファサの子供シンバとムファサの弟であるスカーが登場する物語である。
若い頃何度も読み、そして観てきた物語であるが、年を取るにつれて観たあとの感想もだいぶ異なってきた。
40を手前にした私がライオンキングを観て思い出したことは、天智天皇の子供である大友皇子と弟である大海人皇子が皇位継承巡ってあらそった「壬申の乱」であった。
壬申の乱では、僧侶となり隠居していた大海人皇子が時機を見て、大友皇子に反旗を翻し、天武天皇として即位し、日本の礎を築いた偉大な天皇として日本史に名を刻んだ。大海人皇子は非常に優秀であり人望もあったため、反旗を翻した際に多くの兵が集まったのだろう。
一方でライオンキングではムサファの弟、スカーはシンバを王国から追放したまでは良かったが、仲間のハイエナたちからの信頼もなければ優秀でもなかった。自分自身を鍛えることもしなかった。そのため王国の外でのほほんと平和に暮らしていたシンバにいとも簡単に倒されてしまった。
人望、自己鍛錬。そこが大海人皇子とスカーを分けた違いであったように思える。