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日米スタートアップの資金調達ラウンド毎の生存率データあれこれ
その昔、米国で急成長したスタートアップデータベースCB Insights(CrunchbaseやPitchbook等が競合)が、スタートアップの資金調達ラウンド毎の生存率データを公表していた。
2008年、2009年、2010年の3年間のうちいずれかでシードステージの資金調達を行なったスタートアップ合計1,119社がその後どのくらい資金調達が継続できるか・そしてExitできるかを示したグラフである。
だいたい6回目の資金調達ラウンドまで辿り着けるのはそのうち30社(3%)という世界である。
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最近、直近のデータを用いて同じような分析をしたデータを見つけた。証券アナリストジャーナル2024年9月号「目利き力のある投資家の存在が投資先スタートアップの その後のファイナンス等へ与える影響」に掲載されていたグラフである。
このデータによれば、2011年から2015年の間にシードステージの資金調達を実施したスタートアップのうち、6回目の資金調達ラウンドまで辿り着く米国スタートアップはおおよそ0.3%程度らしい。CB Insightsのデータより少し厳し目の数字が載っている。
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日本にも同じようなデータはないのだろうか。そんなことを思ってネットで調べてみたところ、「令和5年度産業経済研究委託事業 (スタートアップの成⻑のための調査)調査報告書」の中で以下のようなグラフを見つけた。
6回目の資金調達ラウンドまで辿り着く割合はわからなかったし、IPOに至るスタートアップの数や割合もわからなかったが、少なくともシリーズDまで辿り着くのは、シードラウンドで調達したスタートアップのうち、約6%らしい。上記の「目利き力のある投資家の存在が投資先スタートアップの その後のファイナンス等へ与える影響」のデータによれば、米国でシリーズDまで辿り着くスタートアップの割合は1.8%だとのことで、日本の方がシリーズDまでの生存率は高そうである。
米国ではシリーズDに至るまでの間に失敗して事業をたたむスタートアップの割合が多いのか、もしくはシリーズDに至るまでの間にM&Aされる企業が多いだけなのか、このあたりはもう少し日米比較して要因を突き詰めていきたいところである。
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