Sequoia Capitalが運用する2ファンドが実質マネフィー水準を切り下げ
だいぶ前の話(23年1月)に、Sequoia Capitalが22年初頭に立ち上げた暗号資産ファンド(総コミット額600百万米ドル)とSequoiaエコシステムファンド(総コミット額950百万米ドル)について、足元の投資進捗状況が芳しくないため、Sequoia Capitalが両ファンドのマネフィー水準の計算方法を変更した、とのこと。投資期間(ファンドを立ち上げてからおおよそ5年程度)のマネフィー計算方法は「総コミット額×一定料率(年率2-3%程度)」である中、変更後のマネフィー計算方法は「実行済投資金額×一定料率(2年率-3%)」であり、これはSequoiaが実質的にLPから収受するマネフィー水準を切り下げたことになる。
2022年に盛り上がっていたWeb3.0も振り返ってみるとFTX騒動等を境目として一気にメディアでの盛り上がりが沈静化し、すでに次の話題はChato GPTに映っている現在、特に暗号資産ファンドについては有望な投資先を発掘するのが難しく、投資進捗が思うように進まない中(実際この暗号資産ファンドの投資進捗率は10%、つまりおよそ60百万米ドルまでの投資が実行されているらしい)、サボっているわけではないのだけれど「投資をしていない=きちんと仕事ができていない」という考えもあり、Sequoiaが今回のような大幅な経済面の譲歩をしたものと思われる。
実際Sequoiaは数多くの巨額のファンドを立ち上げており、ファンドメンバーとしては他のファンドからのマネフィーが入ってくるので今回のマネフィー水準切り下げによりファンド運営が苦しくなるということは微塵もないのだと思うけれど、資金を拠出してくれたLPに対して誠実な姿勢を示すためにもこのような措置をとったものと考える。