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カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)がVC投資額を増額

少し前の(6月12日頃)話になるが、AUM(Asset Under Managemenet、資産運用残高)が4,570億米ドルに上る米国最大の機関投資家、カルパース(CalPERS、カリフォルニア州職員退職年金基金)がVCへの投資アロケーションを増やすとの記事が出ていた。現在のVCに対するアロケーションは8億米ドルだが、これを今後50億米ドルまで増やすとのこと。

カルパースの中では2009年から2018年を「失われた10年」と呼んでいるらしく、この10年間にVCは飛び抜けて高いリターンを叩き出すビンテージイヤーがあったのだが、残念なことにカルパースはその投資機会を逃してしまっていた。今後10年で、この失われた10年を取り戻すため、VC投資に力をいれるとのこと。

2022年はVC投資のパフォーマンスはかなり厳しい年だったが、それはカルパースにとっても同じで、昨年のカルパースのPE投資のリターンが-4.7%であったのに対し、カルパースのVC投資のリターンはなんと-24.8%であった。
だが、市場の底は2022年までで、2023年からはChatGPTに代表されるような生成分野のスタートアップが市場を牽引し次の10年のサイクルでまた活気を取り戻す、とカルパースは見たのだろうか。それとも、そんな10年後のことなど誰も予測不可能なので、とにかく10年かけて分散投資を行い、その中で少しでも当たり年が出て来ればいいという判断をしたのだろうか。いずれにしても最近のVC投資関連ニュースの中では明るい内容の一つだと思う。

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