超一流の投資家から出資を受けるとはどういうことか
先日、総合商社に勤務する知人と久しぶりに会った。
総合商社といえばかの有名なウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイから出資を受けており、また平均給与も非常に高く、まさに勝ち組業種の一角である。
そんな総合商社の知人から、「バークシャー・ハサウェイから出資を受けてから株主要求リターン水準が急に高くなり、これまでできていた案件がやりづらくなった」との話を聞いた。
彼曰く、バークシャー・ハサウェイから直接「配当しろ」「投下資本対比でのリターン水準をあげろ」と言われているわけではないものの、「超一流機関投資家から出資を受けている会社」と市場から見做されるようになったことで、自ずと資本市場の期待水準・要求水準に見合った配当性向等の株主還元率を設定しなければならなくなったとのこと。
その中で、アセットを食う割に利益率の低い事業(ROAが低い事業)は株主要求水準を満たせず、案件組成が難しくなっている、とのことだった。
この話を聞いて、シリコンバレー勤務時代に、セコイアキャピタルやベンチマークキャピタルのような超一流VCから出資を受けるスタートアップ創業者が語っていた話を思い出した。
彼曰く、超一流VCから出資を受けられるということは市場に対して「自分達のスタートアップは買いだ」とシグナルを送ることである一方、VCから鬼のようにKPI達成度合いのトレースや、「いつIPOするんだ」と詰め寄られ続けるという。
超一流投資家から出資を受けるということは、こうした超一流投資家が達成すべきリターン水準に見合った成長をしなければならないということであり、その分良い意味での遊びも自由度もなくなる、ということのようだ。
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