今注目の、「CMF」にこだわりたい
昨年の秋、文具メーカーのコクヨで、「KOKUYO ME」という新ブランドが立ち上がりました。
メーカーのコンセプトは、CMFの最新トレンド、道具ではなくアクセサリーとしての価値というどす。
「CMF」とは?
最近、商品開発やデザイナーの現場で聞くようになった言葉で、「C(カラー)、M(マテリアル)、F(フィニッシュ、仕上げ)」の略。
人間が物事を判断する情報は、8割が視覚とも言われています。
たとえば、ある商品が売れている店頭で気になって足を止めるまでは視覚だけが頼りです。
真っ先に目に飛び込むのはカラーで、近づくとその素材感も見た目で伝わってきます。そして、いよいよ手にとると、素材の質感、そして仕上げの善し悪しというのが分かるのです。
「面白い商品だけど、好みの色がない」、「カワイイと思ったんだけど、作りが安っぽい」なんていうことは、よくあると思います。
そういったお客さんの感覚に寄り添ったデザインということで、「CMF」と言われています。
CMFを意識した商品が売れているらしい
この、「KOKUYO ME」シリーズ。
ボールペンが230円、ノートが400円と、文房具と言えば100均が当たり前になってしまった感覚でいうとやや高めの設定ですね。
しかし、これがけっこう売れているそうで、発売開始の三ヶ月で目標の2億円を大きく超える2億4000万も売れた大ヒットということなのです。
今は、コロナの影響もあってということなんでしょうけど、夏頃までは、店頭販売に絞っていたというから驚き。つまり、ネットショッピンぐのように見た目とスペックで買わせるのではなくて、あくまでも店頭で実物を手に取って、買わせることを意識しているということ。
自分の服や鞄、他の文房具とコーディネートして買いたくなる、そういう「体験」を販売しているということです。
ノートカバーが気になっている。
ちなみに、現在はネットでも買えるようになっています。
僕が注目しているのは、ノートカバー。
ノートカバーって大好きで、今までもいくつか愛用しているものがあります。以前は手帳も色々ためしたのだけど、そもそも、整理しながら書くのは苦手だし、スケジュール管理や、大事なメモはスマホに代替されるようになって、紙のノートの使われ方が限定されてきた。
そこで、安いノートにお気に入りのカバーを付けて、思いついたことを自由に書き殴っておく場所として、いつでも持ち歩いている。
そういえば、ノートと言えば、ロディアラマも大好きで、誰にも見せたくない僕の秘伝書となっている。
ノートカバー付のメモ帳にアイディアを書きためて、練り直したものを、ロディアにまとめるというのが、長年やってきた僕なりの使い方。
思えば完全にメーカーの策略にはまっていると気付いたところで、ロディアもCMF戦略が完璧ですよ。とくに、このラマはノートとしては値段もけっこう高いのに、つい買ってしまいました。触ってるだけで満足感がわいてくるんですよ。
自分の仕事でもCMF
僕の本業は念珠屋さんで、これもまた、まさにCMFが非常に大事な商品です。
KOKUYO MEで気になっているのは、全体的にパッとしない色・・(言い方w)
ほら、今までもデザインにこだわった文房具というのは色々ありましたが、どちらかと言えば主張が強い原色系が多かったじゃないですか。地味になると、急に事務用品に埋もれてしまうという感じで。
ところが、この、ふわっとした感じが、回りの文具や日常のファッションともコーディネートしやすいということなんでしょう。
念珠は、お葬式のときしか使わないという人も多いかもしれませんが、僕はもっと普段から使って欲しいということを常々思っています。
なので、いつ持ち歩いても仰々しくならないとか、喪服ではなく、普段着でも違和感なくコーディネートできる感じ、それでいて自分らしい「優しい個性」とでも言いましょうか、そんな感じの念珠はもっとあっても良いのかなと考えています。
そして、やはり文房具と同じで手に持って使うものですからね。素材とか、質感というのは、作り手が想像している以上に重要なんでしょう。
また、仕事の企画も楽しくなってきますね。
あー、とりあえず、ノートカバーが欲しい。買っちゃおうかしら。
新しいアイディアに投資ということで。