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曲メモ

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私が関心を受けた曲について思ったことのメモ帳。
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#音楽レビュー

曲メモ:ヒグチアイ「劇場」

曲メモ:ヒグチアイ「劇場」

ヒグチアイ「劇場」(Apple music)

「劇場」とは恐らく人生の暗喩だ。「2人の男と女」とは父と母の事で、それから客席に現れるのは友人や親族、その他沢山の人達であり中には恋人もいるのだろう。
 人生の暗喩と同時に、自分を誇示したい欲の現れとも言えるか。それは時に自分の行方を失わせてしまう。誰も私から離れて欲しくない!と言う自分の中から放たれる悲鳴。でもその悲鳴は往々にして理解はされづらい。

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曲メモ:Have a Nice Day!「僕らの時代」

曲メモ:Have a Nice Day!「僕らの時代」

Have a Nice Day!「僕らの時代」(Apple music)

 2019年1月に公開された映画「チワワちゃん」の主題歌だったこの曲は、予告編で初めて聴いた時強い衝撃を受けた。サビの一節、

 という言葉に、私自身も息も出来ない程のセンチメンタルな思いを感じた。
 もっとも、私はこの曲に出て来るようなパーティーカルチャーとは無縁の道を歩いていた。この時はちょうど、長岡の同年代や少々上の

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曲メモ:羊文学「ドラマ」「光るとき」

曲メモ:羊文学「ドラマ」「光るとき」

 羊文学の曲を初めて聞いたのは2018年の秋だった。たまたまApple musicをいじりながら聞いた曲が「ドラマ」。初のフルアルバム、「若者たちへ」に収録された作品だ。

 歌詞自体は意外に短く、そして難解だ。しかし時折青春から脱皮するような、危うくほろ苦いフレーズも出没する。そもそも、「青春時代が終われば生きている意味がない」という時点で危うい。けれども、その危うさは誰の青春にもあったものでは

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