水遊びの注意点
前回までで、水に対する適応力を高めるために自由に水遊びをさせることが重要だというお話をしました。
でも、ただ単に自由に遊ばせればいいわけではありません。注意すべきことはあります。
今回は水遊びをさせるときの注意点3つをご紹介します。
① 段階的に経験させること
水の特性(浮力、抵抗、水圧、水温)は水に触れることがないと経験できない、いわば非日常的な感覚です。
もし、これらの特性が身体に対して強く働くと人によっては恐怖を感じます。
流れの強い、水温が低い、水深の深いプールはちょっと怖いですよね。
水の特性を経験することは大事ですが、あまりにも刺激が強すぎると逆に水への恐怖を作ってしまいます。
たまに「泳げない子も水中に放り込んでおけばそのうち泳げるようになる」と言う方がいますがそれは間違いです。
人間以外の動物は陸上で移動するときの姿勢と水の中で泳ぐときの姿勢があまり変わりません。
しかし、人間の場合は陸上と水中で姿勢は大きく異なります。
陸上では直立二足。泳ぐときは水平姿勢です。
そのため人間は泳ぐという運動を誰かにある程度教えてもらわないと出来ない動物なんです。
水中に放り込んでおけば泳げるなんてことはありません。
なので水からの刺激の経験も泳ぎの習得も段階的に行いましょう。
いきなり冷たい水をかけたり、流れの速いプールや水深の深いプールに放り込んではいけません。
その子がどれくらい水に慣れているかをよく見極めながら水遊びを経験させましょう。
② 絶対に目を離さないこと
水遊びには危険が伴います。
命にかかわる事故に繋がる恐れがあるので気を付けましょう。
自由にさせることと放置することは違います。
絶対に目をはなしてはいけません。
危ないと思ったらすぐに手が出せるように。
もし、ひとりで複数の子供を見る場合は監視カメラのように見守りましょう。
全体が見えるように少し子供と距離をおいて、あまりひとりの子供ばかりをかまいすぎないようにするのも見るときのコツです。
あとは水遊びに限ったことではないですが、大人がある程度危険を予測しておくことも大事です。
子供の身長や運動能力を考えるとここは危ないぞというところはあるはずです。
子供は人生経験が少ない分、危険予測が出来ません。
だから、しっかりと危険予測をしてしかるべき対応を事前にしておくのが大人の役割です。
③ 子供のやりたいことを邪魔しないこと
水遊びをするときの子供の行動は様々です。
ずっとボール遊びをしている子もいれば、潜って何回もプールの底を触りにいく子、浮き輪につかまってプカプカ浮いている子、滑り台が好きな子など多種多様です。
前回も書きましたが、子供の行動を大人がコントロールしすぎてしまうと運動が他動的になるので大切な運動するときの感覚の学習が出来なくなります。
ひとつのことをずっとやっているなら満足するまでやらせてあげましょう。
「潜ってばかりいないで滑り台で遊ぼうよ。」は禁句です。
これは感覚の学習を妨げるだけでなく、潜っているという自分の行動を否定されたように聞こえるため自己肯定感を下げてしまいます。
以外と言いがちな台詞なので気を付けましょう。
続く
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