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長野県教育委員会との懇談(顧問任命編)

 2024年12月20日、AEGISは、長野県合同庁舎別館に於いて長野県教育委員会との懇談を行いました。県教委からは高校教育課、義務教育課、学びの改革支援課、保健厚生課から計11名もの方々、当組合から9名の参加です。県教委に送った要望・質問の詳細はHPをご覧ください。内容毎に2回に分けて、私たちがした質問・要望に対する県教委の回答と懇談の所感をお伝えします。


AEGISの要望に対する県教育委員会の回答

AEGIS『校務分掌を決める際、教職員に部活動顧問をする・しないの選択権を与えるよう、各校長に周知してください』

県教委『要望として承りたいと思っております』

AEGIS『3月28日の懇談では「部活動顧問は職務命令の対象。顧問については、パワハラや押し付けにならないように理解を得ながら任命していく」と回答をいただきましたが、ご認識に変わりはないでしょうか』

県教委『はい』

AEGIS『教員の勤務時間外については、部活動顧問業務を命令することはできない。あくまで勤務時間内の顧問業務を命令する、ということでよろしいですか?』

県教委『はい』

AEGIS『教員が部活動顧問をやるとなると、業務が勤務時間外にどうしても及びますよね?』

県教委『その部分はすごく難しいところ。今日懇談会なので、そういった意味でも、課題意識っていうことで、思いを受け止めさせて頂きます。
 部活動顧問については、いわゆる教職員個々に様々な事情を抱えていますので、その事情や希望を、丁寧にまず聞くっていうのが大前提だと思っております。その上で、事情によっては、例えば、副顧問の分担化を図ったり、外部指導者を入れたり、中学生については、地域移行もこれから進んで参りますが、他の公務のバランス等も考慮しながら、やっていただくことがあるかと思います』

AEGIS『教員の事情や希望を丁寧に聞いてくださるのは学校長でよろしいですか?』

県教委『はい』

AEGIS『部活動顧問の命令は違法では?』

県教委『学校教育の一環という意義で、顧問をお願いしてる。立場上、違法とは言えない。ただ、本当に苦労されていたり、嫌な思いをされてることも当然ある。例えば、各家庭の事情とかもあって、週末の部活休んで頂いたりとかそういうことはきちんと行われるように、我々も伝えているところです』

所感

 県教委とAEGISの懇談は、2024年3月28日に初めて実現し、今回は2回目でした。県教委の出席者は前回と8割程入れ替わりましたが、前回の回答と齟齬は見られませんでした。

 懇談内容を踏まえ、部活動顧問の任命について整理すると以下になります。

  1. 学校長は、教員の勤務時間外は部活動顧問業務を命令できない

  2. 学校長は、教員の事情や希望を丁寧に聞く

  3. 学校長は、パワハラや押し付けにならないように理解を得ながら任命する

  4. 県教委は、部活動顧問業務が勤務時間外に及ぶという認識は持っているが、任命が違法とは言えない

  5. 県教委は、土日は教員に休んでもらうよう学校長に伝えている

 問題点をいくつか述べます。
 県教委は、私たちの要求の要である「部活動顧問をする・しないの選択権」ついて、『要望として承る』とだけで、はっきりとした回答をしていません。
 部活動顧問業務が勤務時間外に及ぶという認識を持ちながらも命令できるとする論理の矛盾も解かれませんでした。これを対話によって解こうとせずも割と誠実に話をしてくれた一方、その回答は苦しいものでした。やはり違法である可能性が極めて高いと私たちは改めて認識しました。
 要望の窓口は校長です。しかし、多忙を極める学校現場で、学校長が教員一人一人と上記のことが行えるのでしょうか。甚だ疑問ではありますが、県教委も部活動の負担には理解を示し、私たちに寄り添う形で上記の回答をしてくれました。

 それでも問題が解決しないこともあるでしょう。部活動にお困りの長野県公立学校の先生方、AEGISのHPまたはX(旧twitter)のDMからお気軽に当組合にもご相談ください。ご連絡お待ちしています。

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