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153:Xジェンダーな時期・思春期の不定性

・自分は男だが、瘦せぎすな体型であるため私服は女性用として販売されている衣服を身に纏っていることも多い。
・BMIは15.いくつとかだった気がする。

・今は男だが、女としての生を受けたかった、と思春期の頃本気で思っている時期があった。
・今でも見た目に関して言及される時は、「カッコイイ」よりも「かわいい」と言われる方が嬉しかったりする。

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・あまり覚えていないが、母曰く自分が園児の頃はフリフリした服を好んでいたらしい。
・また、「好きな人は誰か」という質問をしたときにはいつも同性の「〇〇くん」と答えていたそうだ。

・小学生の時は、可愛い人形やぬいぐるみでよく遊んでいた。
・おままごとが好きだった。中学生になる直前くらいまでは、自分の好きなぬいぐるみで遊んでいたことをよく覚えている。

・まぁここまでだったらよくある話ではあるだろう。
・中学、「異性」をより意識し始めた年頃になった時、自分の性的指向を少しだけ疑ったことがある。

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・とは言え初恋の人は異性ではあった。

・だがこの初恋への未練もなくなっていた中学2年生、自分は所属しているサッカー部の同級生とデートをする妄想をかなりたくさんしていた。

・妄想の中では自分は女だった。
・可愛い服を着て、サッカー部の特定の彼と街中をデートできたら楽しいだろうなと思い、夜な夜なその妄想に耽っている時期があった。

・その頃は恋愛感情は男性に向いていたのに、性的欲望は女性に向かって強くなっていっていたので、気持ちが悪くなることが多々あった。

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・高校生でできた初めての恋人は異性であった。
・中学を卒業してからは恋愛感情は女性に向いていたので、昔の妄想は一過性のものだったのだなと思っていた。

・その恋人と別れ、しばらくした後、自分は同級生の男子を好きになった。
・友人として接していたはずだが、彼と二人で遊んだりすることが楽しかったし、友人以上の何かを感じながら接していた。

・結局それも一過性のものではあったが、それ以来はしばらく自分のことをバイセクシュアルであるのだろうか、と疑っていた。
・ちなみにその友人との関係は今は断たれている。

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・高校生の頃、自分の男性としての成長にかなり悩んでいた。
・父親譲りの体毛の濃さが高校生となって強く発現しはじめたのがひどく嫌だった。
・また、校則もあり髪を伸ばせなかったこと・学ランを着なければいけなかったことが「男性」というラベリングを強制されている気がして、それも嫌だった。

・男性ホルモンの分泌を抑えるとかいう眉唾のあるノコギリヤシのサプリメントを飲みすぎて、体調を崩したりしていた。

・自分は可愛くなりたかった。
・まだ「告白予行演習」「初恋の絵本」「ヤキモチの答え」などで隆盛を極めていた頃のHoney Worksのノベライズがとても好きだった。

・だったはずなのに、年齢を重ねるにつれ、男性としてカッコよく見られたいと思うことも徐々に増えてきた。
・でも、可愛く見られたいと思う時も同時に存在している。

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・大学生となりある程度思春期が過ぎ去った頃は、完全に自分の恋愛感情も性的欲望も女性に向けられるようになった。
・ただ性表現的なところで言うと、カッコよい男性を見ると胸が弾み、可愛い女性を見ると自分もこうなりたいと憧れるから、自分の不定性はいまだに少し残っている。

・思春期というのは、そういう時期だったのだろうな、と今になって振り返っている。
・普段はわざわざ説明しないが、自分が「男女間に友情はあるのか」という議論に対し「ある」と答えるのは、単純に気持ち的な部分だけではなく、今までの経験を振り返った上でそのような結論としている。

・下記の記事でこのように綴っているのは、上述が理由である。

男女間に友情はあるのか
・あるだろ。なかったら人類の半分との繋がりを断つことになるぞ。
・というか、恋愛感情に性別は関係ない。好きになった人が好きで良い。性別が違うかなどは、さして問題にはならない。
・人類の生存本能として、統計的に見た時には異性に惹かれる人が多いというだけではなかろうか。

083:興味が無い|ながめいづき / 長雨出版

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