【え?】第61回宣伝会議賞のキャッチコピーを「戦闘力」にしてみた。
宣伝会議賞の受賞作品を見ていると、いつもこう思うんですよね。
キャッチコピーの良さって、一概に語れないなぁ。
このキャッチコピーは、ちゃんと企業らしさまで伝えられている
このキャッチコピーは、とにかく面白さでずば抜けている。
このキャッチコピーは、ストーリーが浮かんできて心に来る。
など、キャッチコピーの良さって、本当それぞれあるなぁと思います。そんなキャッチコピーの魅力を「目に見える」かたちで表現できたら面白いなぁと思ったんですよね。こんなグラフのように。
いわばキャッチコピーの「戦闘力」。フリーザ様もびっくりの「ことばの戦闘力」をこんな具合で可視化することで、それぞれのキャッチコピーの個性も楽しむことができるかなと思いまして…。
宣伝会議賞の受賞作品を「グラフ」にしてみた。
まずは個性豊かな作品が受賞していた、第61回宣伝会議賞の受賞作品をすべてグラフ化してみました。もちろん、あくまで自分の「主観的な評価」になるので、そこもふまえてご覧いただければと思います。
たとえば、前回のグランプリ作品ですと、こちら。
泣く子と育つ。
ユーモアやわかりやすさもあるのですが、とくに中でも「ストーリー性」を感じられるようなキャッチコピーだと思いました。泣く赤ちゃんと奮闘するパパママ。そんな親とともに育っていく赤ちゃん本舗の姿勢が伝わってきますよね。
愛犬を亡くした人に、
いつまでペットフードの広告を出し続けるんですか。
愛犬をなくした人に関係ない広告が流れる悲痛さを感じられるストーリー性のあるキャッチコピーでもあるのですが、「”残念な顧客体験”を”最高の顧客体験”に創り変える Braze の魅力が伝わるアイデア」というオリエン内容にしっかり応えていて「課題解決力」の高いキャッチコピーだと感じました。
卒業までに、何C.C.飲むんだろ。
入学式。緊張で喉が渇いた学生が、CCレモンを買い、ふとこう思う「卒業までに、何C.C.飲むんだろ。」みたいなストーリーを思い浮かべられるような、いわゆる「エモい」キャッチコピーになっていると思います。「CC」で掛け合わせるところにユーモアも感じます。
こんなにかわいいのに、こんなにわからない。
「こんなにかわいいのに、こんなに分からない。だから、育児って大変。だから、育児って楽しい」のような実際に子育てをしている親御さんの気持ちが浮かんでくるようなストーリー性のあるキャッチコピー。「かわいい」と「わからない」を並べているところにも、ユーモアというかセンスを感じます。
アカチャンホンポに定休日はありません。
親がそうであるように。
今までの作品と大きく違うのは、「赤ちゃん本舗」の特徴にしっかりフォーカスを当てているところです。「アカチャンホンポに定休日はない」というメリットだけで終わらず「親がそうであるように」という親に寄り添う気持ちまで表現できているのは見事だなぁと感じました。
犯罪者はあいさつに弱い。
こちらの課題内容は「生活者が身の回りの社会課題に取り組みたくなるアイデア」というもの。社会課題と言うと難しいですが、ここでは「挨拶をしない」というところを仮に「社会課題」として置き換えた時に、このキャッチコピーを見ることで、街の平和を守るためにも挨拶をしていこうという気持ちにさせる、まさに課題解決型のキャッチコピーだと思いました。
こわくなさそうな病名。だから、こわい。
こちらの課題内容は「脱水症状を身近に感じてもらうアイデア」。たしかに「脱水症状」って一見たいしたことなさそうな感じがする。だからこそ油断してしまう恐ろしさがあるという、納得感が強いキャッチコピーです。「怖くない」「怖い」という反対語を入れ込むことで表現にユーモアも出ています。
困りごとはだいたい、
誰かがもう困ってくれている。
「困ってくれている」という言い回しがなかなか強烈な、生活の情報メディア「SOMPO Park」のキャッチコピー。同じ「困った」悩みを持っている人がここにいるということを伝えることで、自然検索よりも解決法が見つかりやすくなるということも暗に伝わってきます。
キャッチコピーも、みんなちがって、みんないい。
宣伝会議賞の場合は、「真面目系」も「ユーモア系」もどの項目も同様に評価してくれるようなイメージがあり、一概にそのコピーの質に優劣をつけることは難しいのかなと思います。逆に「実務」の場合は、
・わかりやすさ
・企業らしさ
・課題解決力
が重視されるところがあります。ちゃんと企業の特徴をとらえ、オリエンに対してわかりやすく解答できるようなキャッチコピーが求められる傾向があると思います。
今回はどういったキャッチコピーが受賞するのか、今から楽しみですね。