摂食障害と絶望。だからこそ創りたい未来
私は教育熱心なサラリーマン家系に生まれました。
家族全員がすごく真面目で、勉強も仕事もそこそこできると思います。
周りからは羨ましがられたし、私も優しくて、大事にしてくれる家族が大好きでした。
ですが、小学生の頃に姉が不登校になったことがきっかけで、全てが上手くいかなくなってしまった。
真面目な両親は、不登校になってしまったことにすごく責任を感じていたし、なんとか学校に行かせなければと頑張っていました。
姉と両親は、理解したくてもし合えない、食卓を囲んでも喧嘩を繰り返す日々が続きました。
だんだんと、皆がしんどくなり両親同士もピリピリしてきました。
その時、私も両親と同じで、学校に行くことが当たり前、不登校は悪いことだと思っていたので、
「私がちゃんと学校に行って、良い成績を取らないと」と思っていました。
勉強は得意だったので、ある程度すれば結果が出る。
その時から、勉強=家族を喜ばせるためのもの、になり、必死でした。
学校生活の人間関係は正直合わなかったので、
学校でも家でも気を張り続ける日々。
そんな中、受験に受かって中学生1年の冬。
私は、積もり積もったストレスで、食べた物を吐きました。
食べて吐くって、しんどくて時間も取られるのですが、
その間だけ何も考えなくて良かったし、人の期待を気にしなくて良かった。
唯一の取り繕わなくていい時間でしたが、その後の大きな罪悪感と身体へのダメージ。
それでも、その時間に依存して、みるみる症状はひどくなった。
脈も血圧も40ぐらいまで下がり、命に関わるので即入院。
でも、その時、ほっとしたのを覚えています。
やっと、この負のループから抜け出せる。
入院してIQ検査をしました。IQのバランスが発達障害の基準になるようで、高いとばらつきが大きくなりやすいため、自閉症にもなりやすいようです。
私も、診断までいかなくても、数値的には発症していてもおかしくないと言われました。
摂食障害はその繊細さからの二次障害のようでした。
病院にいた子は、
・発達障がいや引きこもりといった精神的・思春期特有の問題を抱える子
・家庭環境が良くないために、ケンカばかりして荒れている子
・ダウン症の子
など。
異様に大人びていたり、真面目、繊細、気を使いすぎる子も多い印象でした。
皆、個性が強くて、私から見れば、地元の学校の子より素直で、人の感情に敏感な子が多かったです。
私も、治療で"良い子"をやめる練習していました。
病院の先生に、「勉強するな」と言われた時期もあります。そんなこと、言われることもあるんだなぁと。
その後も、
"人の期待に応える良い子"の自分と
"好奇心のままに生きたい"自分の2面性があり、
良い子の自分以外を押し殺して、高校進学しました。
でも、やっぱり限界で、
どうしようもなくて、
皆の言う"当たり前"や"こうあるべき"が苦しくて、
ずっと、どん底のままでいるぐらいなら、何か大きく変わる選択を自分でしよう、と専門学校に行くことを決めました。
両親や周囲からの大反対を押し切って、
この時、初めてちゃんと自分の意思で進路を決めたことが人生の転機だったと思います。
病院に入院したり、カウンセリングを受けたりしても全然良くならない症状が、少しずつですが良くなっていきました。
そんな中、"就職"が近づき、
「やりたいことはわからないけど、どこかに就職しなければ」とか、
「正社員じゃないと」とか、
「4年制大学進学してないから」とか、
"こうあるべき"にやっぱり縛られて、一度レールを外れたり、生きづらさを感じてブランクがあると、
選択肢がほとんどないことへ、また絶望を感じていました。
それでもどこかで、摂食障害が少しでも良くなるきっかけだった選択を後悔したくなかった。
半分意地です。
だから、就職して、新規事業を立ち上げたり、人よりも多岐に渡る業務をしていました。
一方で、摂食障害は相変わらず抱えていたので、一般的な労働環境では体力的に大変でした。
「ここまで、無理をして働くしかないのか?」
かといって、就労支援に行くなんて考えていない。
「もっと自分に合った働き方がないのか?」
そう思っていた時に起業という選択肢と「ソーシャルファーム」に出会いました。
ソーシャファームは、引きこもりやシングルマザー、貧困など労働市場で不利になる人の雇用を促進するためのものでした。
ソーシャルファームが広がることは、同じように表向きは普通に見え、裏で苦しんできた人の課題に目が向く。
それでいて、ビジネスとして成り立たせるため、働く人は価値を生み出さなければいけない。
まずは、目に見える課題も、見えない課題も実はたくさんあることを働く場を取り巻く人に知ってほしい。
そこから生まれる働き方や制度の解決策で、課題を抱える人もそれを取り巻く人も、良い関わり方ができると思いました。
働くことへ課題を抱えている人が、必ずしも責任や負荷が少ない仕事をしたいと思っている訳ではないのです。
私は、仕事にやりがいや貢献感が必ず必要だと思っています。
他の人と同じように働きたい。
今ある働き方や制度の中では働くのが難しいだけで、それが変われば働ける人、働きたい人はたくさんいます。
また、今の働き方や"当たり前"に、違和感や大きな負荷を感じながら無理して働いている人もたくさんいます。
仕事上の課題を持つことは、職場ではなかなか言えない。
私はマイナスイメージを持たれる怖さもあったけど、
正直、言っても何も変わらないと諦めていた部分も、大きかったです。
そして、私が会社員ではなく、
人を動かす立場になって気づいたこともあります。
それは、働く人自身から課題を言われないと気づけないし、解決するためのアクションが取れないこと。
"何か"きっかけがないと、文化や制度、考え方は変わらない。
コロナ前、リモートでも問題なく仕事ができる企業がかなりの数あったことを予想できましたか?
私は考えたことなかったです。
同じように変えられる働き方やルールが、実は、たくさんあるのではないではないか?
そして、それを見つけるためには、
いろんな立場の働く人の声を知ることや、向き合って課題を共有できる文化が必要だと思いました。
そのための場が、ソーシャファームのネットワークです。
その場で対話するからこそ、知ることのできる声やストーリーがあります。
もともと福祉に興味のある方だけが集まっても、現場や社会全体の考え方が変わらないと結局変わらない。
1人でも多くの方と一緒に、大きな動きを作っていきたい。
3/16(日)大阪・新今宮でのSocial firm Fest.に参加し、さまざまな人が働き続けられる未来を一緒に作ってください!
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