Hiro

ネタバレなしの映画批評家です。

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最近の記事

ボクの映画批評 第5回「ゴジラ ー1.0」(ネタバレなし)

「シン・ゴジラ」は革新的な作品だった。立ち位置が違いすぎるため比較するのは酷だ。「ゴジラ ー1.0」は原点に戻った。VFXの第一人者山崎貴が、脚本・監督として偉大なシリーズに立ち向かった。 第一作「ゴジラ」は、一級の娯楽作品ながら第五福竜丸事件などを背景とした「反核」「文明批判」といったテーマを内包した志の高い作品だった。「ゴジラ」シリーズを子どもが楽しめる怪獣映画であればそれでよしと見るか、大人の鑑賞にも堪えうる作品としての矜持を持つべきだと考えるかは意見が分かれるところ

    • ボクの映画批評 第4回「リバー、流れないでよ」(ネタばれなし)

      ヨーロッパ企画の映像作品、初体験である。京都を中心に活動するこの演劇集団の上田誠(原案・脚本)を中心に企画し、多くの劇団員が出演。日本映画(ローバジェット)で勝負するならコレしかないという発想で、前作「ドロステのはてで僕ら」に続き邦画に殴り込みをかけてきた。 タイムルループものである。京都の奥座敷といわれる貴船の旅館を舞台に、2分間のタイムループから抜け出せなくなってしまった人たちの混乱を描くドタバタ群像喜劇だ。 日本の演劇作品の多くは、群像劇だ。多くの役者にスポットライ

      • ボクの映画批評 第3回「ベイビーわるきゅーれ」(2021)

        なんとも批評しづらい作品を選んでしまった(笑)。続編も公開されているので気になって鑑賞した。いつも通り構成を中心に語っていく所存だが、この型破りの映画の前ではいささか野暮かもしれない。 女子高生殺し屋の二人は、高校卒業を機に組織から社会的自立を促され、同居を始める。アルバイトを奨励されさまざまな社会経験を積むのだが、やはり殺し屋稼業が一番肌に合うようで…。 冒頭のまひろ(伊澤彩織)のアクションから圧巻である。この映画、構成に凝っていて時間軸が複雑である。後半になって収斂さ

        • ボクの映画批評 第2回「アデルの恋の物語」(1975)

          映画を見る際、出演する俳優で選ぶ場合もある。この作品は、フランソワ・トリュフォー監督が撮ったからという理由の他に、イザベル・アジャーニの美しさに惹かれて見たという方も多いのではないだろうか。撮影時18歳。トリュフォー監督がTVで見つけて、大抜擢したそうだ。 文豪ヴィクトル・ユーゴーを父に持つ女性が、愛する男性を追いかける物語である。 「なぜ、こんな男が好きなのか?」男から見て必ずしも魅力的ではない男性が女性から好かれるケースはよく見かける(笑)。アデルが追いかけるのも、そん

        • ボクの映画批評 第5回「ゴジラ ー1.0」(ネタバレなし)

        • ボクの映画批評 第4回「リバー、流れないでよ」(ネタばれなし)

        • ボクの映画批評 第3回「ベイビーわるきゅーれ」(2021)

        • ボクの映画批評 第2回「アデルの恋の物語」(1975)

          ボクの映画批評 第1回「怪物」(ネタバレなし)

          人は皆、怪物。冒頭でそういう映画かと鷹を括っていたが、それだけに止まらなかった。この映画自体が「怪物」だった。 異なる視点から描き、人物像をくっきりと浮かび上がらせるというのは流行りの構成だが、そこに詩情豊かな描写が加わり、秀逸な作品となった。 家庭や学校での描写は見ていてつらいものがあった。残酷である。子どもは自分の興味本位で動く動物だ。嘘もつく。それが親を心配させないためであったとしても、罪である。そんな子どもに大人たちが振り回される。 難癖をつけるなら、校長室の場

          ボクの映画批評 第1回「怪物」(ネタバレなし)