スマートフォンが壊れた
スマートフォンが壊れてしまった。
朝、気づいたら画面が真っ暗になっていて、ホームボタンがもう動く動かない以前に固まってしまった。
パソコンで調べて、いろいろ試したけど、ぜんぜん動かない。
家に子どもたちとわたしだけでいて、どうしよう、と思う。
明日は、出かける用事があって、明後日は、子どもを預かってもらう。
それで、近所のショッピングモールに行って、公衆電話から実家に電話することにする。スマートフォンの画面がつかないから、電話帳も見ることができない。わたしは実家の電話番号だけは覚えていた。明日も次の日の用事も、親族との用事なので、実家に繋がれば、なんとか連絡が取れると思った。
ショッピングモールの、ここに公衆電話があったのではないか、という場所を勘で探したけどなくて、サービスカウンターに訊いて、電話はあった。
電話は緑色だった。わたしは十円を入れた。久しぶりの公衆電話に少し緊張した。
子どもたちが、お母さん、かけかたわかるの、と言った。
わかるよ、だって昔は、こういう電話しかなかったんだから。
頭の中で番号をくり返し、指で押していく、その指の動きが、懐かしい覚えてるなこの番号の並び、父が出た。
フードコートで、フライドポテトとフライドチキンを子どもに食べさせて、キャラメルコーンを買って帰った。