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【俳句16句】縁~夏目友人帳 漆 第十二話「夢路より」に寄せて

てのひらの友と仰ぎし大夕焼
夏夕べ用心棒は肩に乗り
黒板にうつすら残る恋歌よ

短夜の銀河は海に溶けてゆく
さくらさくら悲しいほどにふくらみて
紅葉かつ散る山奥の神の滝

まなうらに虹おなじ夢より覚めて

不器用な花壇褒められ夏の朝
夕飯へ走る先生草いきれ
妖のかそけき声や月涼し

自由てふ先生の眼は夏の空
「また明日」と言へる暮らしよ夕焼川
夏の夜の仲間や賑やかな誤解

うすばかげろふほどの本音とさよならと
旅立ちし友よ胸裏に永久の花

ふたたびの無き夕焼と縁かな

夏目友人帳 漆 第十二話「夢路より」に寄せて
「とおかんや」と同じくらい大好きな原作が最終話なんて、こんなに嬉しいことがあるだろうか。
「あたりまえだ 私の心は自由なのだ」
ニャンコ先生のこの言葉は(真面目に)私を支えてくれている言葉の一つです。
こんなふうに人間はためらいなく言えない、だからこその尊さ。
俳句制作としては、前回の「かなしき遊び」と同様に一句目がバッと浮かんで、その後はどんどん言葉が浮かんできて詠んでいて楽しかったです😊 
特に今回は最後の俳句制作なので、(原作や映像作品の世界観を尊重しつつ)自由にわがままに作りました。
原作は夏目君とニャンコ先生がほぼメインのお話ですが、映像作品は最終話ということもあり皆が登場していてそのアレンジが素敵だった。また、原作にはない藤原俊成女の和歌「風通ふ寝覚めの袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢」が効果的でよかった。
俳句つくりとしては「俳句だったらよかったのにな~💦」とちょっと羨ましかった。
今年は『光る君へ』もあり、ますます注目の短歌。
俳句も負けずに頑張ろう! と個人的に思ったりしました。
最後まで素晴らしい映像作品に感謝です💖
(写真の紙人形は旅先のお店でもらった黒文字用の袋。「妖・オリガミみたいだ」と捨てずに飾っていたものを、我が家のニャンコ先生と共演してもらいました😊)

※俳句16句は、放映された物語からインスパイアされて作者(私)が詠んだものです。
今回、映像より基本的な季節は「夏」と判断・作成しました。が、夢の映像として春や秋もあるため、それらの季節を入れたうえで敢えて季節順にせず構成しています。また、内容や必要性から季重なりや無季の句も含めました。
インスパイアに基づく俳句なので、必ずしも物語通りの映像でなかったり、物語に登場していない事物が登場することもあります。 ご了承くださいませ。

全12話・133句、拙いオマージュ俳句作品をお読みいただき、ありがとうございました。
一人の俳句詠みとしては、夏目友人帳漆をリアタイしつつ全話を俳句作品として詠めたのは、まさに素晴らしい機会であり縁でした。
映像作品を作って下さったスタッフの皆様、そして原作者・緑川ゆき先生に感謝申し上げます。

「夏目友人帳 漆」全12話の俳句作品は下記ページに掲載しております。よろしければご高覧頂ければ幸いです😊

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