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【俳句掲載】『名句水先案内』(角川俳句コレクション)

角川『俳句』連載の「名句水先案内」(2020年4月号~2022年3月号)。
今回、角川俳句コレクションとして一冊に纏められ刊行されました。
著者は『鷹』主宰・蛇笏賞作家の小川軽舟氏。

その中の一句として、下記の拙作(句集『柔き棘』所収)を紹介していただいております。
どうもありがとうございます。

一人づつタイムカードを押して霧 柏柳明子

本書の第一印象は、鑑賞の深さと選句の目の鋭さ。
一句ごとの鑑賞が見事、精緻な把握や解釈に目が開かれる思いでした。
選としては、取り上げられた句のバラエティが豊か。
正統派から前衛までさまざまな作品が並び、その様は壮観です。

個人的には、あとがきが感動的でした。
著者の若き時代の俳句の話から、年代ごとに代表的な俳人と作品の(時に時社会背景を引きながら)紹介へ展開し、さらに俳句への思いや現在の俳句の状況をつまびらかに語っています。このあとがきは、そのまま立派な俳論ではないか。そんな印象を持ちました。また、著者の俳句への尽きることのない情熱と真摯な姿勢が押さえた筆致から随所に伺われ、ときどき空を見上げながら読まずにはいられませんでした。

本書は古今の俳句および俳人を網羅した優れたアンソロジーでもあります。
俳句に親しんでいる方はもちろん、俳句を知らない方、俳句を始めたばかりの方も気軽に手軽に古今の俳人および俳句作品を知り、楽しむことができる良書といえましょう。

最後に、超個人的なつぶやきを。
著者のもとには日々、膨大な数の句集が謹呈されていると思います。
その中で拙句集に目をとめていただけ、さらに句を取り上げていただける日が来るなんて思ってもいなかった……
ただ嬉しいです。

素晴らしい一冊です。ぜひご一読ください。

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