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【物語る句】『その時までは』の巻〜「続 夏目友人帳」を基に
『その時までは』の巻
奪われた友人帳の名の舞えば
たましい二つ春に溶けるよ
凸凹と妖(あやかし)退治 湯けむり行
雛、孵る夜の月あたたかく
空と海約束の樹にひとり占め
少女の陣は夕日に滲む
朽野を呼んではならぬ影重く
不死の想いの人魚の汀(みぎわ)
満開の桜並木の彼を抱き
若き祖母座す仮屋の窓辺
無月なる呪術師の会ひそやかに
廃屋の少年 げんげ田の輪舞
同じ花 人と妖へ降り続く
あっという間のその時までは
※朽野(くだらの):枯野
※げんげ田:れんげの花が咲いた田
※花:春の季語で「桜」と同義
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【おことわりと御礼】
お読み頂き、どうもありがとうございます。
本作はアニメ「続 夏目友人帳」全13話のタイトル(奪われた友人帳、春に溶ける……以下同)を入れ込んだ13句+ラストはオリジナルの1句で、続の世界にインスパイアされて詠んだ全14句で構成しています。
インスパイアなので、物語どおりの描写ではない部分もあると思います。また季語(季節)も順不同の部分があります。
また、形式は「5/7/5」「7/7」を繰り返す「連句」を基に独自にアレンジしています。
あらかじめご了承願えれば幸いです。
(ファンの方で不快に思われた方がいらしたら、申し訳ありません)
過去の物語る句の作品はコチラに、「物語る句の定義」と「なぜ、連句形式で詠もうと思ったか」についてはコチラに掲載しております。
また、連句について知りたい方はコチラをご覧ください(←この記事は長いので読み飛ばしてくださいませ💦)。
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「壱(第1期)」を基にした物語る句を一年前に詠むも、そのまま長く途切れておりました。
しかし、いよいよ2024年秋より「夏目友人帳 7期」の放送が決定!
そこで「勝手に前夜祭!」と第二弾を今回詠んだ次第です。
今回を機に6期までを物語る句として続けて詠んでいければと思います。
本作をこの世に生み出し、送り出してくださった原作者・緑川ゆき氏、
アニメ「夏目友人帳」の制作スタッフの皆様に感謝申し上げます。
※ちなみに「夏目友人帳 壱」物語る句は下記に掲載しています。
ご高覧いただければ幸いです。