かんたんな所からはじめよう!予算がなくてもできるUX
こんにちは、UXアーキテクト(自称)のAsamiです。 「UXデザイナー」というと「デザイン」ができると勘違いされがちなので、アーキテクト(設計)を名乗っています。
「UXに興味あるけど、ペルソナとか、カスタマージャーニーとか、ユーザーインタビューとか、やることが多くて大変だし予算も出ないよ!」という人に向けて、 UXのかんたんなはじめ方をご提案しつつ、巻末に私が好きなウミウシの豆知識をつけておきます。
UXとは
UXとはユーザーエクスペリエンスの略で、
「ユーザーが商品やサービスを通して得られるすべての体験」を指します。
例えばECサイトで服を買う場合
・欲しい服がかんたんに見つかった
・コーデ画像がたくさんあった
・レビューが面白かった
・決済処理が楽だった
・箱が可愛かった
・届いたサイズがちょうどよかった
など服の購入にまつわるすべてのことが「UX」となります。
ニールセン・ノーマンによる定義(意訳)
ユーザーに提供する「体験」は2種類あります。
先ほどの例で言うと「欲しい服がかんたんに見つかった」
「決済処理が楽だった」「届いたサイズがちょうどよかった」が第1要件、 「コーデ画像がたくさんあった」「レビューが面白かった」
「箱が可愛かった」が第2要件となります。
UXの定義を満たすためには「服が買えた」だけでは不十分で、
「服が買えた」以外の「楽しさ」を提供する必要があるのです。
UXが大変とされているのはこの第2要件を満たすために様々な調査を行って、今までにない新しい体験を提供する必要があるからです。
むずかしくないUX
「欲しい服が買えた」だけではUXの定義を満たせない。
では、第1要件は重要ではないのでしょうか。 第1要件が満たされていない場合は「服が買えない」=「サービスが使えない」ということです。
A. 特に面白さはないけど普通に服が買えるECサイト
B. かわいいコーデがたくさん載ってるし、レビューも面白いから見てるだけ
でも楽しい!でも買い方がわからないECサイト
比較するまでもなく、Bのサイトはダメです。 UXにおいて第1要件は必ず満たされている必要があります。
面倒なく正確にニーズを満たす
「買い方がわからないECサイト」は極端ですが、使いづらいサイトはたくさんあります。 例えば、言語切り替えボタン。
日本語がわからない人にも見てほしいと用意されたものですが、日本語がわからない人はこのボタンを使用できません。
わかりやすいように韓国語にしてみました。
「日本語」のボタンがどれだかわかりますか?
言語切り替えは必ずその言語で表記しましょう。
次の例は、キャンセルボタン。
カートから1点だけ取り消そうとしたら、以下のメッセージが出たとします。
他の商品は買いたいので、1点だけキャンセルしたいときには、どれを押せばいいか迷ってしまいます。
以下のように文言を変更するとわかりやすくなります。
破壊的なアクションの「削除」ボタンの色を変更したり、戻るボタンのレベル感を下げるとさらにわかりやすくなりますね。
このような小さなイライラを取り除いていくことは、ユーザーテストやペルソナやジャーニーを作らないとできないでしょうか。
自分がわからないことはみんなもわからないし、自分がめんどくさいことはみんなもめんどくさいのです。
UXはやさしさと思いやりです。
予算がなくても、UXの専門家がいなくても、自分が実際に使う人の気持ちになって使いやすさを考えることはできます。ヤコブ・ニールセンは「5人でテストすれば問題の85%は発見できる」と言いました。
チーム全員でUXに取り組めばほとんどの課題は解消されるはずです。
自分には関係がないと思わず、少しでも良いのでUXのことを考えてもらえたらうれしいです。
さあ、ここからが本編。お待ちかねのウミウシ豆知識のご紹介です。
ウミウシ豆知識
いかがでしたか?
「ウミウシが気になって最後まで読み進めてしまった」方はいますか?
行動経済学ではそれをツァイガルニック効果と呼びます。
「続きはWebで!」のように、途中で中断してしまった物事が気になってどうしても先を見たくなってしまう…。 そのような人間の心理学もUXでは活用します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、皆様、すてきなウミウシLifeを!