ホラー映画のハードルを下げる記事
こんにちは。
三度の飯とホラーが大好きなデザイナーのニイヤマです。
気温もめっきりと下がり、秋が訪れ始めた今日この頃。
秋といえば、色づく紅葉や美味しい食べ物が思い浮かびますが、秋のイベントで忘れてはいけないのがハロウィーンです。
アメリカ映画界では10月末のハロウィーンに合わせて、9月から10月にかけてホラー映画が数多く公開されるほど、ハロウィーンはホラー映画には欠かせない題材の1つになっています。
『ハロウィン』シリーズや『スケアストーリーズ 怖い本』『テリファー』など有名作品も多数あり、ホラー映画ファンにとっては秋を盛り上げてくれるイベントの一つですが、ホラー映画ファンではない人たちにとっては不気味で嫌な気持ちになる時期に違いありません。
この記事では「ではない」方々が少しでもハロウィーンを楽しめるように、ホラー映画の魅力と楽しみ方について書きたいと思います。
1.そもそもホラー映画を見るメリットってあるの?
ホラー映画ファンではない方にとって、ホラー映画はただ怖くて不気味な印象を持っている方がほとんどかと思います。
しかし、実は単なる娯楽以上の価値があり、視聴者にさまざまなポジティブな影響を与えることができます。
①ストレス解消とカタルシス効果
ホラー映画を観ることで、日常生活で溜まったストレスを解消する効果があります。映画の中で怖がることで、自分の中にある緊張や不安を解放し、スッキリとした感覚(カタルシス)を味わえます。
②問題解決能力の向上
ホラー映画を観ることで、恐怖に向き合うスキルが磨かれます。
現実世界での不安やストレスに対する対処法を学び、冷静な判断力や精神的な強さを高めることができます。
また、ホラー映画の登場人物は、危機的な状況に直面してさまざまな選択を迫られます。こうしたシチュエーションを観ることで、自分が同じような状況に置かれた場合、どのように対処するかをシミュレーションすることができます。これにより、現実世界での問題解決能力が養われることもあります。
③アドレナリンの分泌で快感を得る
恐怖を感じると、アドレナリンが分泌されます。
これにより一時的に興奮状態に陥り、エネルギッシュな感覚や快感を得ることができます。ホラー映画を観た後に「怖かったけど面白かった!」と感じるのは、このアドレナリンのおかげ!
④免疫システムの活性化
恐怖を感じることで心拍数が上がり、体は一時的に「戦うか逃げるか」の状態になります。このプロセスは免疫システムを活性化し、健康にも良い影響を与えるという研究もあります。
もちろん、これは、「過剰にならない範囲」での話ですが。
⑤共感や感情の共有
ホラー映画を一緒に観ると、観客同士で共通の恐怖体験を共有できます。
観客の間に一体感が生まれ、他人との絆を深めるきっかけになることも。
友人や家族と一緒にホラー映画を観ることで、感想を語り合う楽しさも広がります。
2.ホラー映画の魅力って?
多種多様な“サブジャンル”
ホラー映画と聞くと、血みどろのシーンや恐ろしい怪物や幽霊が思い浮かぶかもしれませんが、ホラー映画にはそれだけではない多様なサブジャンルが存在します。
例えば近年注目を集めている“サイコホラー”は、フィクションにおける、心理的な恐怖や狂気を中心にを題材にしたサブジャンルで、いわゆる人間が怖い系と言われる、驚かしたりスプラッター表現のような派手な演出は少なく、根本的な恐怖や不気味さを感じさせる作品が多いです。
『羊たちの沈黙』や『エスター』、『パラサイト 半地下の家族』などが代表作品。
また様々なジャンルとの掛け合わせが豊富にあり、
恐怖要素に加えてスリル満点や息を呑むようなシーンが多くある“ホラーアクション”
未来的なテクノロジーや異世界の設定と恐怖を掛け合わせた“SFホラー”
徐々に明かされる謎やミステリー要素が盛り込まれた“ホラーサスペンス”
恐怖と笑いの二重構造で楽しませる“ホラーコメディ”
などなどホラー映画は他のジャンルと掛け合わせることで、幅広い層の観客にアプローチできる多様性を持っています。それぞれの融合が新たな感情や視点をもたらし、観る人をさまざまな恐怖体験へと誘います。
さらに、ホラー特有のサブジャンルも多数存在しており、
怪物や異形の存在が恐怖の中心となる“モンスターホラー”
その中でもゾンビが主要な敵として登場し、人間がゾンビ化した群れに追い詰められる“ゾンビホラー”やサメをテーマに恐怖とスリルを生み出すジャンル“サメ映画”
民間伝承やカルト宗教、村の因習などをテーマにした異質で不気味な作品が多数うある“フォークホラー”
人間の身体が変異し、異常な姿や機能になることで恐怖を描く“ボディホラー”
これらはのサブジャンルはごく一部のもので、ホラー映画にはまだまだ多様で魅力のあるサブジャンルが存在し、それぞれ異なる恐怖を提供してくれます。
“四季”や“時代”を感じられる
ホラー映画は、四季や時代の移り変わりを巧みに反映し、観客に特有の雰囲気や感覚を提供します。
たとえば、秋は前述した『ハロウィン』のようなハロウィーンをテーマにした楽しげな雰囲気の街に潜む恐怖や、秋独特の落ち葉が舞う冷えた風景が不気味さを増幅させます。
冬の厳しい寒さは『シャイニング』のような孤立感を強調させる演出ができ、一方穏やかで希望に満ちた春は自然の美しさに潜む異形や狂気とのギャップをより強く感じることができます。
夏の明るい太陽や海、休暇にレジャーなど開放感や冒険がテーマになる一方孤立した場所や灼熱の気候、逃げ場のない状況が不安を強調し緊張感を高めます。
またお盆や怪談などの文化がある日本のホラー映画も盛り上がりを見せる時期になります。
悪役を応援してもいい
映画を見ていて「あれ?これ主人公悪くない・・・?」と感じたストーリーはありませんか?
そう思っても結局、主役は主人公。大体の映画は主人公のハッピーエンドで幕を締めます。
ただし、ホラー映画では違います。
スラッシャー映画によくあることですが、登場人物に難ありの物語が多数あり、そう言った作品では逆に悪役が惨たらしく登場人物を一掃してくれるので爽快感やスッキリとした感覚を味わうことができます。
3.ホラー映画をおびえず見る方法
昼間に視聴する
これが一番簡単で効果的な方法です。
やはりホラー映画は、暗い環境で観ると恐怖感が増幅されます。
逆に、昼間の明るい時間に観ることで周囲の明るさが安心感を与え、怖さを和らげます。家の照明をしっかりつけて観るのも効果的です。
フリとなる“間”を見極める
ホラー映画の“何か”が起こる前には必ず緊張感を高めるための沈黙や細かい不必要な描写があります。この“間”を見極めることでジャンプスケア(飛び出して驚かす演出)を回避することができます。
例えば、登場人物が洗面台にある鏡の前に立つ描写というのがホラー映画にはよくあるシーンなんですが、この時に必ず一度鏡が画面から見切れる、もしくは鏡に写っていた人が見切れるシーンになります。この後は注意!
必ず何かが映る演出が入ります。視聴者も登場人物も何もないであろうと思っているその不意を突くコンビネーションは常套手段として様々な映画に使われているので意識して見てみてください。
世界共通の“ルール”
ホラー映画に出てくる殺人鬼や悪魔は、理不尽に主人公らに襲いかかってくるように見えていますが、実は必ずと言っていいほどルールや規則性があり、逃げ道が作られています。
例えば、海外ホラーに頻繁に登場する“悪魔”。
悪魔はエクソシズム(悪魔祓い)によって対抗できたり、名前を知られることや信仰心、十字架などの聖なるシンボルにも弱いとされています。
ストーリー上、ほとんどは主人公らはこう言った存在に後半で気づくことが多いですが、これをあらかじめ知っておくことでストーリーの展開を予想でき、気持ちの準備をすることが可能です。
4.おすすめホラー映画
この記事を見て少しでもホラー映画に興味を持ってくださった方に向けて、グロほぼ無しの入門ホラー映画を6作品紹介します。
ヒュービーのハロウィーン
街の住民たちからバカにされている臆病で心優しい主人公ヒュービーが今年のハロウィーンは何かが違うと気付き、街のために立ち上がるホラー要素とコメディーシーンを織り交ぜたストーリー。
まさに入門編ホラー映画。この時期にもぴったり。
ハッピー・デス・デイ
キャンパスの女子寮に暮らすイケてる大学生ツリーが誕生日に殺されてしまい、その日を繰り返してしまうループ系のストーリー。ホラー映画の中でもかなりユニークな作品。
続編の「2」もあるので面白ければ続けての視聴をお勧めします。
スケアストーリーズ 怖い本
1968年のアメリカを舞台に、若者たちが見つけた呪われた本が、読まれた内容を現実の恐怖として具現化するというストーリー。
実際に児童文学として出版された『誰かが墓地からやってくる』と『死んだ男の手首』シリーズが原作と言われています。
出てくるクリーチャー(想像上の生き物)に趣向が凝られており、サブジャンルはかなり悩ましいところ。
視聴難易度は急に上がりますが、これが見れたらクリーチャーものは怖いもの無し。
ハロウィーン最恐はこれ。
パラノーマルアクティビティ
新居に引っ越したカップルが、家の中で奇妙な現象に悩まされ、その様子をビデオカメラで記録するというストーリー。
徐々に超常現象がエスカレートし、緊迫感が増していく展開が特徴の映画。
この作品は、低予算で制作されたPOV形式(登場人物が撮影した映像を見せる形式)の映画として注目を集め、カルト的な人気を博しました。
上映時間も短めなのでさっくりみやすいのも◎。
ニイヤマが一番好きな作品。
死霊館
実在の心霊研究家であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻の体験に基づいた作品で、物語は1970年代にウォーレン夫妻がある農家の家族を助けるために行った悪霊祓いの一部始終が描かれています。
心理描写やジャンプスケア、オカルト的要素が多くまさに王道ホラー映画を堪能できる作品。
5.最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事を読むことでホラー映画のことを好き!とまではならなくても、苦手から普通、悪くないくらいまで格上げされると幸いです。