知多半島旅行記
先日YouTubeに知多半島お泊まりツーリングの動画を投稿したのだが、今回は文字と写真でその思い出を振り返る。
ドライブでも楽しめるルートなので、よかったら春のお出かけの参考にしてほしい。
陽射しは暖かいけど、まだ風の冷たい2月。
愛車SR400に跨り、旅行に出かけた。
目指したのは海沿いの道を走るのが気持ちいい、知多半島だ。
泊まりだからもっと遠くを選ぶこともできたけど、何にせよ初めての一泊二日ツーリング。
石橋を叩き割るくらい慎重派なので、まずは日帰りでも行けるところを目的地にした。
名古屋市内はとにかく信号も長いし、交通量が多くてごちゃごちゃしている。
たが、ひとたび産業道路に乗ってしまえば、あとは知多まで風景を楽しみながらバイクとの一体感をあじわえる。
SRがトコトコと気持ち良さそうにエンジンを鳴らしているのが分かり、私も自然と口角が上がっていった。
お昼過ぎに出発したから、知多に着いた頃には少し陽が傾き始めていた。
普段は暗くなる前に帰ってしまうので、伊勢湾に沈む夕陽を眺めたことがなかった。
海に太陽が吸い込まれていくのを見ていると、ただただその美しさに見惚れて、頭も心もからっぽになる。
しばしの間、浜辺に座って波の音を聞きながら、ぼんやりとその光景を眺めた。
天然温泉という言葉に惹かれて選んだのは、元かんぽの宿である亀の井ホテルだ。
目の前が海で、ペットとの宿泊もできるらしい。
美人の湯と地元食材をたくさん使っている懐石料理を楽しみ、1日目はゆったりと幕を閉じた。
普段の週末は朝の10時とか11時くらいまで布団でぬくぬく過ごしてしまうが、ホテルは朝食の時間もチェックアウトの時間も決まっている。
眠い目をこすりながら、もう一度入っておこうと露天風呂のドアを引くと、キンと冷たい空気が全身に突き刺さった。
朝日は昇り始めていたが、まだ海に近い位置にあって、朝焼けが美しかった。
貸切状態の露天風呂でしっかり身体を温めたら、朝食ビュッフェもご飯をお代わりしてしまうくらいシャキッと目が覚めた。
チェックアウトを済ませて駐車場にポツンと止まっている愛車のもとに行くと、シートに雫がたくさんついていた。
普段はカバーをかけて屋根のある場所で保管しているから、野晒しのバイクが朝露に濡れることも知らなかった。
サッとタオルで水気を拭いて、キックペダルを踏むと、これまた空気が冷えているせいかスカッと空振りしてしまった。
あとからホテルを出たお客さんが車に乗り込んで敷地を出た頃にようやくエンジンがかかり、出発の準備が整った。
2日目の目的地は、知多半島の先端だ。
師崎は、日間賀島や篠嶋に向かうフェリーが出ているほか、羽豆岬という絶景スポットがある。
石段は運動不足の人にとってはちょっとしたトレーニングになるが、伊勢湾を一望できるので、この辺りに来たらぜひ立ち寄ってほしい。
ちなみに、羽豆神社は恋愛成就の神社でもあるらしい。
ピンクの可愛らしい絵馬がカラカラと風に吹かれていた。
散策後は元来た道を戻りながら、37カフェというドライブインに立ち寄った。
黄色いスクールバスと青色のコンテナがおしゃれなのはもちろん、ウッドデッキから海を眺めながら食べるごはんの美味しいことといったら…。
バイク乗りはもちろん、家族連れやカップル、女子旅っぽい集団なんかもいて、とても賑わっていた。
よくソロツーで食事なんかはどうしているのかと聞かれるが、バイクに乗っているときはなぜか気持ちが大きくなって、大体の店は1人でもふらっと入ることができる。
感動をその場で共有できる人がいないのが寂しいときもあるが、自分の好きなように走り、気になった場所にフラッと立ち寄り、食べたいものを食べることができるのは、ソロの醍醐味だと思う。
そして最後に、新鮮な卵が購入できるココテラスに寄り道。
カフェも併設されていて、オムライスや卵かけごはん、スイーツなども食べられるらしいが、外まで人が並んでいたので諦めた。
そのかわり、プリンや焼き菓子を買って帰ることにした。
最近値段が高騰している卵がいっぱいに入った段ボール箱にも心惹かれたが、バイクでうまく持ち帰りできるか心配だったので、これはまたの機会に。
帰り道、道路沿いに菜の花が植えられた畑を見かけた。
2月の時点ではまだ蕾が膨らんでいる程度だったが、きっと今頃は黄色い絨毯のようになっているのだろう。
暖かくなったらまた走りにおいでと言われた気がした。
無事名古屋まで戻ってバイクを駐輪場へ戻すと、一気に現実に戻ってきたような気持ちになった。
また、2日連続でバイクに乗るなんてことも初めてだったので、思ったよりも疲労感が強かった。
しかし、免許をとってからずっと夢だったお泊まりツーリングが実現でき、じんわりと達成感も込み上げてきた。
次はもっと遠くへ行ってみたいし、キャンプもしてみたい。
まだまだやりたいことは、たくさんある。
今度はどこへ行こうね、と話しかけながら、2日間私を乗せてくれた愛車を拭きあげ、そっとカバーをかけた。
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