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誰かを愛する過程で自分自身を見失うということ

私は人生で三度ほど、命を失いかけた経験をした。
そのうち二つは物理的な事故、そして震災。
そして残る一つは、精神的なものだった。



心が失くなる




自分の心そのものが命なんだと痛感した瞬間だった。





この感覚を経験したのは、最愛の彼と一緒にオーストラリアに住んでいたとき。それまで結婚願望のなかった私が彼と出逢い、生まれて初めて残りの人生を共にしたいと思えた。そんな彼と共に渡豪し、ずっと夢だった海外生活を送っていた頃。


当時の私の目標は、オーストラリアでバリスタとして働くこと。これは彼と出逢う前から自分の中で決めていた目標だった。


だが、苦しくもその夢が叶うことはなかった。

愛する彼をオーストラリアに残してまでも、帰国という選択を決断した。


詳しくは、以前のブログに。


その背景には、たくさんのことがあった。
たくさんの葛藤があった。
これまで向き合っていなかった自分自身の課題がすべて、浮き彫りになった瞬間だった。嫌でも自分と向き合わなければいけない、そう思わざるを得ない、そうせざるを得ない状況になって初めて、自分自身のための決断をした瞬間だった。



でも、それまでの私は彼中心。

”彼がいなければ私の人生は意味がない”
”彼と別れるときは死別のとき”

心の底からそう思っていた。


”彼が私のすべて”
そう彼にも伝えていた。




そんな、彼との別れを一ミリも考えていなかった私がまさか自分から別れを切り出すことになるなんて。夢にも思わなかった。

私の人生において、最も苦しい決断だった。



そしてこの苦しさをもたらした原因が

”彼と別れること”
ではなく、

彼を愛する過程で自分を見失ってしまうこと
だったということ。

この事実に私自身が一番ショックを受けた。



どんなに愛する人といても、自分が自分でいられなければ幸せにはなれない。幸せを感じられない。

そう強く心で感じた瞬間だった。





オーストラリアへ渡る前、彼との関係性の中で違和感を覚え始めていた。



彼のことを深く愛している。
彼と過ごせば過ごすほど、強くなる想い、深まる愛。

一方で、不安が芽生えていた。
このまま彼を愛し続けることで、いずれ自分が自分ではなくなってしまうような感覚。
恐れに近い感覚だった。




ー以前の私と、違う。

もっとのびのびと、自由に過ごしていたかつての私がいなくなりつつある。
目の前の彼に愛を注ぐことばかりに気持ちがいってしまって、完全に彼が私の中の軸になりつつある。常に心が彼でいっぱいだった。
何をするにも、彼次第。
休みの日には彼と出かけられるように予定を空ける。友達との約束はできるだけ入れない。
以前から休みの日は一人で過ごすことが多かった私だが、以前のように一人旅やどこかふらっと行きたいところへ一人で出かけることも、なくなっていった。
常に”彼と”何かをすることが当たり前になっていた。そして、彼の気持ちを何よりも優先していた。




ー前は自分で自分を満たせていたのに。

今ではまるで、彼がいなければ自分を満たせない。
自分を楽しませられない。
楽しい瞬間や幸せを感じられない。

いつしかそんな自分になっていた。



当時はもちろん、気付かない。
そんな風に自分を俯瞰することなんて、できなかった。

今こうして振り返り思うことは、当時の私は”自分軸”で生きていなかったということ。

生まれて初めて自分を全肯定してくれる存在。
ありのままの私を受け入れ、愛してくれる彼の存在によって満たされていくことで幸せを感じていた。
自分で自分を癒し、満たすことができなくなっていた。



ずっと自分のことが嫌いだった私は自分を愛することができないまま、自分を愛する方法すら分からないまま。そんな状態で彼を愛し、彼に愛される関係性の中で、私は完全に彼に依存するようになっていった。





自分を愛することができなければ、本当の意味で誰のことも愛することができない。
一切の見返りを求めることのない、
純粋な、無条件の愛。

それを自分に与えることができず、方法も知らなかった私。
誰かを愛することの意味さえも知らない。
それを教えてくれたのが、彼だった。

いつも私の愛情をしっかりと受け止めてくれ、
「こんなに誰かから愛されたことはないよ。本当に嬉しいし幸せだよ。ありがとう。」
そう言う彼はいつも続けてこう言っていた。



「でも、もっと菜々自身のために生きて。」



彼にとっての幸せは、私が私自身のために生きること。
それができた上でお互いを愛し合うということだった。



でも、当時の私にはそれが到底理解できない。



ー何でそんなこと言うの?
私の愛が迷惑だっていうこと?



そんな風に卑屈的に、悲観的に思っていた。



”どうせ、私なんて・・・”
”やっぱり私は・・・”



この思考の癖が、彼との関係性の中での成長や可能性を閉ざしてしまっていた。彼の言葉を、彼が意図していた通り、愛の言葉として受け止めることができなかった。



その裏には、幼い頃からの自分の思考の癖が根強く関係していることに気付いたのは、コーチングを受けてからだった。

帰国後、彼との別れを経験し、人生のどん底を味わったとき。
初めて自分の中にある、ずっと避けていた自分の課題、自分と向き合うことを決意したときだった。



自分を卑下したり、否定したりする癖。
これによって様々な人間関係においても影響が出ていたこと。
歪んだ受け取り方、自分が望まない感情が生まれる受け取り方をわざわざ自分自身が選択していたということに気付いた。



相手がこう言ったからこういう感情が生まれた。
今自分の中に湧き出ている感情は、相手の発言のせい。相手の行動のせい。起きた事象のせい。環境のせい。



コーチングは、その思考から抜け出すきっかけを私に与えてくれた。



出来事に対してどう反応するかは自分で選べる、
湧き出る感情の前にはそれを選択している自分がいる



感情が湧き出る前に、そこには自分の解釈がある。
その”事実”をどう受け止めたのか。

そしてその解釈に影響するのは潜在的にある自分の思い込み。
その思い込みに気付けたら、事実と切り離して考える。



事実だけを見たときに、自分はどういう感情を感じていたいか。
自分にとって望ましい方へと書き換えてあげる。

すべては自分が心地よくいるために。
自分の内なる調和を保つために。
自分の心と向き合う。



わざわざ感じたくない感情を選択する必要はない。
全部、自分で選べる。

何を思い、どう感じていたい?

心の声に耳を傾ける。



いつだって心に平穏を、安らぎをもたらす選択ができる。
自分次第で自分の感情も、言葉も、行動も、そして未来も変えられる。



”相手のせい”や”出来事のせい”にしてしまったら、その瞬間に自分の可能性が閉ざされる。

すべては自分の内側次第。
自分の人生の舵は自分で握らなくちゃ。

誰かに、出来事に、環境に委ねてはいけない。

自分の感情にも、
自分の言葉にも、
自分の行動にも、
すべて自分に責任がある。

自分の人生に責任を持つとはこういうこと。

だからこそ自分次第で自分の人生を如何様にもできる。輝かせることも、現状維持も。



自分がどうありたいか、どう感じていたいか、
知っているのはいつだって自分の内側。
自分の心だから。

心は命。

だから、無視しないで。
蓋をしないで。
これ以上、苦しまなくていいように。
心のままに生きられるように。

どこにいても、何をしてしても、誰といても、
常に自分の心が平穏で、愛と調和で満たされているように。



私は当時、気付けなかった。
自分の心に蓋をして、違和感も見て見ぬふりをして、”彼といることが何よりも幸せ"と信じ込んで、自分の内側と向き合ってこなかった。
それによって、最愛の彼を自ら手放すという選択をした。
一生を共にしたいと願っていた彼との別れ。


人生でこんなにつらいことはなかった。



最愛の彼との別れを決断すること以上に、
誰かを愛する過程で自分自身を見失いかけたこと。



長い間ずっと自分と向き合わずにいた結果、
自分の心を無視し続けた結果、
人生で初めて愛することの意味を教えてくれた、
愛する経験をさせてくれた彼との別れに繋がった。




自分と向き合うきっかけをくれた彼に、
心から感謝をしている。
そしてあのとき、自分自身のための決断をした自分に感謝をしている。
自分のために生きると決めたあのときから、私の人生は180度変わった。
30年間嫌いだった自分のことをありのままに受け入れ、愛することができている。
何が起きても、不安で心をかき乱される自分はもう、ここにはいない。
絶対に大丈夫、いつだって自分が自分の一番の味方になってそう信じられる自分がここにいる。
そして自分で自分を癒し、満たせるからこそ誰かを癒し、満たせる自分がいる。
平穏と安心、愛に満ちた心で。



ここまでこれて、本当によかったと
愛と感謝に溢れる。


すべての出逢いと出来事、経験。
どれもが必然で、必要だった。
最善へと向かうために。

大丈夫、全部必要だから起きている。
そう心から深く思える。


何かをするのに遅すぎることも早すぎることもない。気付いたときが最善。



自分自身のために生きる
自分自身を何よりも大切にする

まずはこの決意から。

自分への愛を持ってこの決意を。





愛と感謝

With love and gratitude


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