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【読了】「たりない2人の教育論」

著者 樋口万太郎 若松俊介
出版社 明治図書

「たりない」
この言葉の意味が最初はなんだろうと思っていたのですが、私なりの解釈ができました。

本の形式も面白く、教育界でご活躍されている二人の樋口先生、若松先生の文通のようなやりとりをのぞかせていただいているようなものでした。

教育観や、学級経営、授業、教育者としての生き方について、やりとりを行う中で、お二人の価値観にじかに触れることができたように感じました。

この本から私が得たことは
・ベテランといわれている方でも毎日悩み、考え、教育と向き合っていること
・「教育」や「生徒」のことを真剣に考えていること
・もっとよりよくできるのではないかと「たりない」という意識を持っていること

現状に満足せず、常に新しい方法と知見を追い求めようとすることに終わりはなくて、むしろ終わってしまうことのないように目の前の子どもたちのことを考えていくべきだと。
そして、これだけご活躍されている先生方でも。悩むことがある。むしろそれが人として成長することだと勇気をもらいました。

お二人のお言葉をお借りしたいと思います。

そして、「あぁ、ボクはまだまだ何もわかっていないんだな…」と思うことの方がよいですよ。「ボクは何でもわかる」と思う方が危険ですよ。自分の視野が狭まっている合図かもしれません。「あぁ、ボクはまだまだ何もわかっていないんだな…」ということを思わなくなったら、ぼくは先生を辞めようとすら思っています。

『たりない2人の教育論』樋口万太郎

「相手には期待せずに自分を変化させたらよい」というのは、正にその通りだなと思います。諦めの「期待しない」ではなく、ただひたすらに自分のできることを積み重ねるしかないですね。この「自分にできること」を低く見積もるのではなく、模索していくことを大事にしたいです。

『たりない2人の教育論』若松俊介

私たちは「完璧」であることを無意識的にでも「ゴール」にしているのかもしれません。私ももっと素晴らしい教育者になりたいと思い毎日奮闘しています。

だけど、「予定通り成功した!」と喜ぶよりも、うまくいかないことや反省することの方がやはり多く、そんな日常にどこか悲観もしていたのかもしれません。

なぜ、いろんなところで活躍している先生方のように近づけないのだろう。こんな思いから早く解放されたいと思っていたところに出会ったのがこの1冊です。

私は、この気持ちを前向きに思い続けるようにしていきたいと考え方を変えてくれました。

「たりなくて悔しい」
これがどんな道であれ、自分を成長させる大きなエネルギーになっていたことを教えてくれてありがとうございました。

私はまだまだたりない。悔しい日々の中で、自分だけにできることを模索し、「たりない」というハングリー精神を持ち続け、自分の思い描く先生になれるように一日一日を大切に生きていきたいと思います。

いつか、こうやって教育について私も語ってみたいなあ…。


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