人事の問題を考える(定年という不安・TOTOの記事を考える)

■会社から切り捨てられる不安

60歳という節目を迎える人たちと話す機会があった。
大きな会社に勤めているので十分な退職金もあり希望すれば雇用延長もある。
しかし、60歳からの残りの人生は長く、今までと同じ生活を維持しようとするとその資産は心許ない。
漠然とした不安にさいなまれるようだ。

私自身は67歳になるが、もともと会社勤めをしていないこともあり、安定した収入などとは無縁であり、逆に定年などとも関係はない。気楽と言えば気楽だ。

それがうらやましいのか、自分たちが恵まれた環境にいながら、50歳で役職定年になると会社から否定されたような気がすると言って愚痴られたり、55歳になり雇用延長になると給与が半分になり、これも不満の要素になる。60歳になると、1年ごとの雇用延長で給与は2割程度になる。このまま会社にいるかを悩むと話をされる。

会社側は、こうした不安を社員が持っていることにもっと配慮すべきである。社員は都合の良いように働く消耗品ではない。

■問題意識の根底の違い

そんなことを感じる中で下記の記事は考えさせられる。

○TOTOが定年延長で払拭したい課題
2022年05月26日

TOTOは2022年度、国内のグループ社員の定年を現在の60歳から65歳へ段階的に引き上げる。同時に過去の評価・経験よりも、役職・役割と成果を重視する人事制度へ変更。定年の延長で若手が管理職になりにくくなる課題を払しょくし、全世代が活躍できる職場づくりを目指す。

https://newswitch.jp/p/32290

60歳から65歳に定年延長をしたからと言って、ある日を境に会社から引き離されると言うことは変わらない。全世代の活躍と言うが会社側は、人材不足がその根底にあると思われる。
いつやめるのかを自分で選択できない「定年制」自体が爆弾を抱えている。
働くヒトは、安心して働ける保証が欲しいのだと思う。これが解消されない。
管理職として働けるヒトばかりではない、それ以外の多くの人が、会社から見捨てられていないという安心感が与えられるのか。これが試金石になるだろう。

それにと思う。
会社側は社員の不安をどこまで把握しているのだろうか?
人事部は、しっかり調査した方が良い。

丁寧な説明で不安が解消されるとは限らない。

<閑話休題>

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