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くじ引き民主主義

言い換えると、「解決」という選択肢が消滅しているのが現代社会の特質ということになるだろう。特定の問題の解決方法が見つかったとしても、それがその他の要素や環境にどのような影響を実際に及ぼすのか、正確に知ることは難しい。

これは「くじ引き民主主義 吉田 徹 (著)」の一節である。

この本は、「議会制民主主義」あるいは現在の選挙による「代表制民主主義」の機能不全を補完するものとして「くじ引き民主主義」という考え方を紹介している。なぜ今のような選挙による合意形成システムになったのかという歴史的な背景も面白く、エリートたる政治家を選んだとしても彼らが我々の代表とはなり得ないという漠然としたお思いに納得した。

しかし、政治の話が中心であるものの、これを経営戦略や人材マネジメントなどに当てはめてみてもなるほどと感心してしまう。

経営に正解はなく、事業戦略を構築してもそれが唯一の正解であるとも限らない。

くじ引きという発想も面白い。
なぜ部長職や課長職をくじ引きで決めてはならないのか。

脳力でという話はやめたほうが良い。
マイケルサンデル氏の「実力も運のうち 能力主義は正義か?」も併せて読んではどうだろう。

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