見出し画像

人事の問題を考える(死に体化するリモートワーク)

■“とりあえず出社”求める愚 「テレワーク環境」を整えない会社に未来はないと思うワケ 在宅勤務なぜ半減?
2022年08月12日

・・・それがなぜ伸び悩み、ピーク時から半減する状態になってしまっているのでしょうか? 現状を予兆させる出来事の一つだったと言えるのが、21年11月に経団連から出された「出勤者の7割削減見直し提言」です。一律にテレワークを実施すると、経済的な悪影響も大きいとして、政府の出勤者数の抑制について見直しを求める内容です。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/12/news033.html  より抜粋

新型コロナの対策としてリモートワークの導入が推奨されたのが2年前。
実感としては一定の導入が進んだものの、それほど劇的な変化は見られない。

コロナ前からリモートワークを推奨していた企業、準備をしていた企業は自然な流れでリモートワークに移行したと思う。一方で緊急避難的に行なっていた企業は「オフィス回帰」と呼ばれる現象を起こしていると聞く。

リモートワークを定着させるためには会社の仕組みを変えなければならない。
思いつくだけで下記がある。

○手当などの見直し
 会社に来ることを前提にしている手当は多い。通勤手当などは実費だからいいのだが、月額ではなく出社時にだけ支払うと交通費で清算しなくてはならない。家で作業するのであれば、家賃補助、光熱費の負担などに配慮することが必要になる。食事手当などを出していると、工場などでの社員食堂、都心での外食、自宅でのまかないなどは差が出る。一気に廃止することの難しさがある。

○勤務時間管理を自由化
 自宅で仕事ができるメリットは、特に子供を抱える世帯では大きいかもしれない。子供の送り迎えを勤務時間から外してもらえれば、育児などが大分楽になる。ワークライフバランスを考えるきっかけになる。ところが実態は、9時5時という固定した勤務時間で、その時間はパソコンの前に座っていて欲しいなどと言う話を聞く。総務部が勤怠管理ができないという理由からだ。
 これではリモートワークのメリットを活かせない。業務の分散化のメカニズムを作らないといけない。

○賃金体系の改変
 多くの会社は。職種(一般職/総合職、専門職/技術職/事務職など)で年齢や経験に応じた賃金体系を採用している。そこでは、出社/リモートの区別はない。通勤の大変さがないのでリモートは楽だ、いや家族がいるのでその対応でリモートの方が大変だ、いやリモートだと気軽に休憩が取れるのでずるい、などといった不毛な会話が成り立つ。同じ賃金体系にするのか、残業などの管理はどうするのか、半休なども配慮しないといけないかもしれない。
 人事制度の改訂がなされないと柔軟な働き方が担保でいきない。

もちろん、これだけでは十分ではない。テレワークに切り替えられるような業務プロセスの再構築だ。セキュリティなどのインフラ整備はその付随物だ。生産性向上に寄与できるように事業プロセスを見直そう。

少子高齢化が進む中で人材獲得は喫緊の課題であろう。人材を呼び寄せるためには「魅力的な」会社でなければならない。旧態依然とした組織構造、業務プロセス、自由闊達のない上意下達の意思決定システム。これらを排除しなければ魅力ある会社など作れない。

自分の働き方を選べない会社に未来があるとは思えない。
わくわくするような世界が見えなければ他の選択肢を皆選ぶことになるだろう。

<閑話休題>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?