誰かを犠牲にする経済は認められない(すき家ワンオペに見る理想と現実)

■きっかけの記事

○すき家「ワンオペ」午前5時~午前9時も廃止へ…従業員死亡受け
2022/06/0

今年1月、名古屋市内の店舗で朝方に1人で働いていた従業員が心筋 梗塞こうそく のために店内で倒れ、その後、死亡したことを受けて、勤務体制を改める。すき家では2014年に深夜帯のワンオペが問題となり、すでに午前0時~午前5時はワンオペを廃止していた。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220602-OYT1T50001/

■理念とはかけ離れた現実

すき家を展開するゼンショーホールディングスの理念は

・世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する
・そのために、消費者の立場に立ち、安全性と品質にすべての責任を負い、食に関わる全プロセスを自ら企画・設計し、全地球規模の卓越したマス・マーチャンダイジング・システムをつくり運営する

となっている。(https://www.zensho.co.jp/jp/company/philosophy/)

しかし、そのビジネスの最前線が、非正規社員に負荷をかけ、払うべきコストを払わない「犠牲」の元で成り立っているのでは本末転倒だろう。

■誰かを犠牲にするビジネスモデル

○届けるのはウーバーイーツではなく配達員
2022.05.28

見慣れた感のある、街中を走る「ウーバーイーツ」の配達員。最近は、ロードバイクではなく普通の自転車(ママチャリ)で運ぶ人もちらほら。彼ら(彼女ら)は、被雇用者ではなく、フリーランス(個人事業主)です。フリーランスは、現在500万人。前年の296万人から急増しています(※1)。

従業員として「雇用」せず、フリーランスとして業務委託する。このような制度を、タニタ(株式会社タニタ 以下タニタ)は2017年から、電通(株式会社電通)は2021年から導入しています。その流れは中小企業にも広がりつつあります。懸念されるのは偽装請負です。

https://agora-web.jp/archives/220527100951.html

ウーバーイーツのビジネスモデルは、リスクを組織の外に押し出すことで利益を上げていると感じており、好きになれない。本来負うべき責任を他社にしつけるビジネスモデルが横行しており、それが修正されるのは稀だ。

○アマゾン宅配委託された「個人ドライバー」、運送会社と「事実上の雇用関係」…異例の是正勧告
2022/05/29

ネット通販「アマゾン」の荷物の宅配を運送会社から業務委託された個人事業主のドライバーについて、運送会社から指揮命令を受けており、事実上の雇用関係にあるとして、労働基準監督署が運送会社に労働基準法違反で是正勧告していたことがわかった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220528-OYT1T50206/

■搾取をしていないかを振り返ること

すき家のワンオペは搾取の氷山の一角だろう。パートは主婦だけではない、正規社員をはじき出された人々、そして体の良い安い労働力としての外国人。会社の差別的な潜在的な思考がないかを社長は振り替えなければならない。

○「搾取」の汚名負った外国人技能実習制度 米国務省の人身売買報告書が指摘
2021年7月2日

米国務省が1日発表した世界各国の人身売買に関する2021年版の報告書で日本の外国人技能実習制度の悪用が問題視されたのは、多くの実習生が劣悪な環境でも働き続けるしかない状況に追い込まれているからだ。日本の技術を母国に持ち帰ってもらう「国際貢献」の理念は色あせ、逆に「搾取」の汚名を負った。

◆「手取り月13万5千円」、実際は8万円
 「稼げないし、職場のいじめが怖くて逃げ出すしかなかった」
 元実習生のベトナム人男性(30)は2日、本紙に2018年の実習先での経験を明かした。125万円を借金して来日したが、手取り13万5000円と聞いていた給与はわずか8万円ほど。社長の従業員に対する暴力や嫌がらせから、「次は自分かも」と不安に陥り、半年ほどで逃げ出した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/114281

■経営者次第

差別的なことを許さないという姿勢が経営者になければ、問題は解決しない。
罰則を伴わないルールは実効性がない。

<閑話休題>

いいなと思ったら応援しよう!