ジョブ型雇用人事制度のために(DXの時代ではジョブも変質する)
■ジョブのメンテナンス
ジョブ型雇用のニュースが一時紙面を賑わしていた時期がある。
まるで「ジョブ型」を採用すれば優秀な人材が確保できるかのような経営者のコメントもあるが、そんなことはあり得ない。
ジョブ型雇用にはいろいろな側面があるのだが、その中の一つに、「自社のビジネスモデルを推進するためにはどんな機能が必要なのか」を明らかにすることだ。
社員はそれを見て、自分のキャリアプランを立てられるし、スキルの獲得計画も立てられる。
しかし、注意が必要だ。毎年経営側の気まぐれで「ジョブ」の内容が変わってはたまったものではない。「ジョブ」の維持管理についても約束事を決めておかなければならない。さもないと、ある日社員が出社したら自分のジョブがなくなっていたなんてことが起きかねない。
■DX時代のジョブの変質の可能性
バズワード化しているDXに対して、感心するような記事を目にした。
○「可燃ごみが減った」座間市の画期的な取り組み
白井エコセンターではRFID用いた実証実験開始
2022/06/05
ごみ収集を行う際には、清掃車もそうであるが、ごみの排出場所や集積所が記された収集用の地図が必要不可欠となる。清掃事務所には現場で経験を積んだ清掃職員が作成した収集用の地図があり、それを頭にたたき込んで収集作業を行っている。
神奈川県座間市では、ごみ集積所の位置が表示されるタブレットを清掃車に持ち込み収集の現場へと向かう。
https://toyokeizai.net/articles/-/593577
また、以下のようにも述べている
「座間市では、このような収集システムを導入して効率化を図り、それにより手すきとなったマンパワーを資源循環の取り組みに回している。」
単なる清掃事業の効率化ではない。あらたな行政サービスや社会貢献への転換をしている。本来は、DXはこうした革新に向けてのドライブにならなければならない。
しかし、これは人々の能力に新たな付加価値を求めている。
■事業の再編につながるDXとジョブの多様化
考えてもみて欲しい。末端で働く人々にはITの活用能力が求められる。
ルーティン業務をこなしている人々には、新たな事業企画や創発を求められる。
IT環境の保全を高度に行なうことが求められる。
昨日までの「ジョブ」では今日の事業は進められない。
ジョブは変質するものであり、戦略的に管理されなければならない。
組織の活動は戦略をもtにしなければならない。未来に至る道しるべを示さなければ、単に今日の業務をこなすだけになる。ジョブのメンテナンスができなければ競争力の維持はできない。
<閑話休題>