人事の問題を考える(育児とワークライフバランス、そしてワーケーション)
■子供は邪魔なのか
下記の記事を見て考えてしまった。
○自宅テレワーク、約8割が「家庭内での対応が必要になった経験」--アドビが調査
2022年04月30日
テレワークが浸透する中、来訪者の対応や子供の世話などで仕事を中断せざるを得ないという声は少なくない。
そこで、テレワーク中でも育児や家事をはさみつつ働くことが会社で認められているかを聞いたところ、82.4%(412名)が認められていると回答した。
このような働き方が認められていると回答した412名に、実際に家事や育児、来訪者対応などで、仕事を中断した経験があるか聞いたところ、約8割(77.7%)が「ちょい抜けワーク」を経験していると判明した。
https://japan.cnet.com/article/35186970/
質問者の意図は分からないが、「家事・育児で仕事を中断したか」という質問自体が偏見を助長する。男性が多いのは理解できるが女性も負担だと歩思っている結果には少し不安が起きる。
無制限に子供の世話を優先しろとは言わない、しかし、リモートワークで生活空間に仕事を持ち込むのであれば、仕事の進め方の設計が必要だ。単に「仕事の場を移動」しただけという無策には呆れる。
■ワークライフバランスに必要なもの
しばらく前から「ワークライフバランス」という言葉が取り上げられることがある。経済産業省のサイトを見ると、公的な考えかたを知ることができる。
○仕事と生活の調和に関する主な制度
情報通信技術(ICT)を活用し、時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方であるテレワークは、子育て・介護と仕事の両立の手段となるなどワーク・ライフ・バランスの実現にするほか、多様な人材の能力発揮が可能となるものです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/index.html
とはいえ、ほとんどの企業が、そもそも「ワーク」と「ライフ」のバランスをとる施策を展開しておらず、いかに「ワーク」に支障がないように”おざなり”に「ライフを重視しろ」と云っても何も変わらない。
「ライフ」を中心に「ワーク」を設計しなければ最初の記事の状況は変わらない。
■ワーケーションは誰のため
働き方に関してのバズワードに「ワーケーション」がある。仕事漬けの働き方の別のテーゼとして取り上げられたが、ついぞ聴かなくなった。
さもありなん。「ワーケーション」で検索すると「観光庁」のサイトがヒットする。
~ワーケーション&ブレジャーで地域の課題を解決~
https://www.mlit.go.jp/kankocho/workation-bleisure/tourist-spot/
を見る限り、地域活性化やレジャーなどが前面に出る。
企業にとってメリットがあるとは思えない。
レジャーが悪いとは言わない。それもライフの一環だろうから。だが、働き方の設計がない中で、単に効用だけ述べても不毛な議論になるだろう。
企業は「働くということの設計」をしなければならない。
<閑話休題>