ジョブ型雇用人事制度のために(能力向上は自己責任か会社の投資か・週休3日の意味)

■気になった記事

○取った資格は俺のもの、もらったお金も俺のもの
会社から資格取得支援金をもらって、CCNPとOracle Masterを取得したエンジニア。退職時に支援金の返却を求められたが、応じるべきなのだろうか――。
2022年05月09日

皆さんの会社では、従業員の資格取得をどのように奨励しているだろうか。

IT企業の場合は、情報処理技術者試験をはじめとしたさまざまなIT技術の資格取得が熱心に推奨されているのではないだろうか。資格を業績評価や昇進の条件にしたり、社内外の研修を無償で受けさせたり、資格取得を果たした場合に一時的な報奨金を払ったりする企業も多いだろう。社員の資格取得は企業の業績にも資することが多いため、企業もかなり熱心に支援している印象がある。

従業員にとっても、自身の能力や労働市場における価値向上につながるため、資格の取得はメリットのある話だ。

ただし、資格取得支援制度も、その内容と適用状況によっては紛争の元になってしまう。今回はそんな事例を見ていただきたい。企業の援助を受けて資格を取得した従業員の退職を巡る問題だ。

「退職するなら金返せ!」という会社の言い分は妥当か

https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2205/09/news015.html

続きは記事を読んでもらうとして・・・

■容易になった学習機会へのアクセス

ジョブ型雇用になったとして、ジョブの定義がされていたとしてもそれに必要な個別の知識や技術が定義されているとは限らない。しかし、DX人材あるいはデジタル人材のニーズを考えればIT系の知識が必要なことは想像に難くない。

もっとも、こうした技術に関しては下記に示すように無料の機会があり、本人の意思次第で能力向上が可能である。

クラウドについては

○AWSのトレーニングのサイト
https://explore.skillbuilder.aws/learn/course/external/view/elearning/11458/aws-cloud-quest-cloud-practitioner

AWS Cloud Quest: Cloud Practitioner is a role-playing learning game that helps you develop practical cloud skills through interactive learning and hands-on activities using AWS services.

○Azureに関する情報
https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/search/?&ef_id=Cj0KCQjw5-WRBhCKARIsAAId9Fla3QKFoGSjY8_DmC9NQcq4B7uKpcd95HCoey3FsHGZZi9jlFQDm58aAkqAEALw_wcB:G:s&OCID=AID2200208_SEM_Cj0KCQjw5-WRBhCKARIsAAId9Fla3QKFoGSjY8_DmC9NQcq4B7uKpcd95HCoey3FsHGZZi9jlFQDm58aAkqAEALw_wcB:G:s&gclid=Cj0KCQjw5-WRBhCKARIsAAId9Fla3QKFoGSjY8_DmC9NQcq4B7uKpcd95HCoey3FsHGZZi9jlFQDm58aAkqAEALw_wcB

Azure の無料アカウントを使ってクラウドで構築
複数のクラウド間、オンプレミス、エッジでアプリケーションの作成、デプロイ、管理を行う

また開発技術については

○Pythonに関する情報
https://www.python.org/
Python is a programming language that lets you work quickly
and integrate systems more effectively. Learn More

○Swift Playgrounds
https://www.apple.com/jp/swift/playgrounds/
本格的なコードを学ぼう。
圧倒的に楽しい方法で。

など探せば数多くある。

■学習する時間はいつ作る?

さて、こうした知識や技術の習得時間はいつ確保するべきなのだろうか。
ジョブ型雇用の前提として、ジョブが遂行できる人員がいると云うことがあるのであれば、市場から調達するので、企業側に能力開発の責任はない。
しかし、既存の社員の再配置にジョブの適用をするのであれば、これの不足を補うためには能力開発は必須になる。

したがって、ジョブ型雇用の戦略的な位置づけで人事施策も変わってくる。

現在(2022年5月)の話題の一つに週休3日の議論がある、
そのパターンとしては3パターンあると云う記事を見る、

○週休3日制度とは?給与や労働時間によって「3つのパターン」がある。メリット・デメリットを解説
2022年05月09日

A圧縮労働型:週の労働時間や業務量の総量は変わらない(1日あたりの労働時間が長くなる)。

B労働日数/時間・報酬削減型:週の労働時間や業務量を削減し、それに給与などを対応させる。

C労働日数/時間削減・報酬維持型:労働日数・労働時間を削減し、給与などは変えない。

日本では現在のところ、AやBのパターンを導入するところが多いという。給与も減るBの場合は、副業を認めるケースもある。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6258ca3ce4b0e97a351cd631

A,Bのパターンは社員にとって何のメリットもない。生産性を向上させてCに向かわなければ付加価値向上にはつながらないだろう。

■戦略的な育成支援

福利厚生の一環として考えると育成は人材調達の武器になり得る。
休日の使い方に強制はできないが、学習に充て、能力向上に使ってもらえるのであれば、社員へのアピールになるだろう。

詳しいことは公開できないが、充実した教育メニューと育成支援を充実させることで、学生の内定率向上(つまり内定辞退の防止)と離職率の防止に効果を発揮させている企業がある。

冒頭の、「資格取得は自分のもの」などという発想に付き合ってはならない。「育成に力を注いでいる」というブランドを優先すべきである。
そうすれば、ジョブ型雇用においても「上を目指す」意欲的な人材を確保できる。

<閑話休題>

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