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小説「ange〜アンジュ〜」

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人生初の小説、「ange〜アンジュ〜」です。
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危機

危機

ーーー数年後ーーー

 アンジュは美しく成長した。それはもう言葉に尽くせぬくらいに。
 流れるストレートの金髪はもちろんだが、まつ毛も長く、色素が薄い、これまた金色。瞳の色まで金色に光る。肌は白く、赤ちゃんだったあの頃のままの…「もち肌」…というものだろうか。頬と唇は健康的な薄桃色だ。
 今はまだ少女だが、捨て子であっても妙齢になれば引く手数多になるんじゃないだろうか?と、身内贔屓かな?
 対する

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「ange〜アンジュ〜」新しい日々、新しい拾いもの

「ange〜アンジュ〜」新しい日々、新しい拾いもの

***

 新しい生活は決して楽ではなかった。自分で自分の食いぶちを得るための生活。俺はまだ自分で自分の仕事を見つける事までは出来てはいない。いずれは与えられるだけではなく、自分でも仕事を見つけていかなければ。
 だが、あの母親という生き物がいる生活よりは、なんだか良いんじゃないかとも思う。いや、大分良い。
 あの日、俺はあの時突如現れた男ーーー男はトレショと名乗ったーーーについていった。
 ニカ

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ange〜アンジュ〜

ange〜アンジュ〜

プロローグ

「このディアーブル!!あんたなんぞ何処ででも果てておしまいよ!!」
 ダン!!と俺を突き飛ばした恰幅の良い、母親とかいう生き物が肉憎しげに見下ろしてくる。俺は意識せず、睨みかえしてしまう。
(しまった)
 …と思った時にはもう、その母親とかいう奴はカアーっと頭に血が昇った顔をして俺の腹を蹴飛ばした。
「あたしゃあんたのその目が蛇より大嫌いなんだよ!!!もう二度と顔を見せるんじゃあない

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