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Photo by
shiroyukimin
1998年の5月2日を忘れた事はない。
あの日から23年が過ぎたのだそうだ。
にわかには信じられない年月を経た。
今日は法務があって、車を飛ばして埼玉まで出かけた。
帰り道、何気なくTwitterを開くと、「#hide」がトレンドに上がっていて、そうか、本当にどれだけの人の人生に宿っているんだよとあらためて切なくなる。
ever freeを聞こう。と思い立って探すも、車には入っていなくて、かわりにMISERYを爆音で聞いた。非の付け所がない程かっこいい。というか、音数を詰め込まなくなってきている現行の音楽の流れの中では、この「ごった煮の音数の多さ」が、よりかっこよく聞こえる。色あせない。
悲しいと言うならば 空の青ささえも
届かないもどかしさに 君は泣くんだろう
君の小さな体包んでる夢は 痛みを飲み込み 鮮やかになる
あの頃、この言葉にどれほど勇気づけられた事か。
「悲しみなんて忘れちゃえばいい。じゃなくて、hideさんは、悲しみを受け止めていこう。と歌うんです。それが他のバンドとの大きな違いだった」
と、当時のテレビでどなたかが言っていた。
そう。だからこそ、コンプレックスだらけだったチビでデブの僕の味方だった。
23年後、今日は2021年5月2日。
運転をしながら、車内には爆音のMISERYが流れている。
246、多摩川を渡る時に、空が開ける。
お天気雨が上がり、雲がまばゆいばかりに輝いている。
stay free my misery 枯れるまで踊るだろう
全て受け止めて この空の下で 君が笑う
ふいに、この歌詞がひときわ大きく聞こえてきて、急に涙があふれてきた。
もしご存命でいらしてくれたなら、この2021年にどんな音を鳴らしてくれただろう?どんな言葉を紡いでくれただろう?
今日は命日。
<了>