見出し画像

【NYM】2023年 ニューヨーク・メッツ戦力分析

アメリカン・リーグの本塁打記録を更新し、2022年シーズンのMVPを獲得したアーロン・ジャッジ。ボガーツ、ターナー、スワンソン、コレアというポストシーズン進出に向けてMake Differenceなスケールの大きいショートストップ。サイ・ヤング賞を二度獲得したことのあるデグロム。ノーヒッター達成経験のあるロドン。

もともとFAとなった選手のメンツがそろっていただけでなく、MLB周りのビジネスの盛況ぶりやポストシーズン枠拡大で補強に力を入れられるチームが増えたことによって、昨オフは大型の契約が相次ぎました。

そんな中でもオフの主役となったのは、一流投資家スティーブ・コーエンがオーナーとなり、ヤンキースを凌駕する銀河系軍団となったニューヨーク・メッツです。


昨シーズン、ニューヨークの9回の新たな風物詩となったエドウィン・ディアスとはリリーフ投手史上最高額で、ブランドン・ニモとも8年契約で昨シーズン101勝を挙げたチームの主力を引き留めただけでなく、昨シーズンサイ・ヤング賞を獲得した投手ジャスティン・バーランダー、セントルイスで復活したホセ・キンターナ、日本代表でも活躍した千賀滉大と、オフの目玉であった先発投手と相次いで契約するなど、このオフは約5億ドルもの資金を使って戦力補強をしました。

ただ、メッツが所属するナショナル・リーグ東地区は、2021年ワールドチャンピオンのアトランタ・ブレーブス、昨シーズンワイルドカードからリーグチャンピオンまで上り詰めたフィラデルフィア・フィリーズもいて、今のMLBで最もホットなデビジョンのひとつです。


今回は、そんなメッツの今シーズンの戦力分析と、注目ポイントを紹介します。


【投手編】

MLB最強の先発ローテーション・・・?

開幕時点の先発ローテーションは、以下の通りです。
シャーザー
バーランダー
千賀
カラスコ
ピーターソン

特にシャーザー、バーランダーの二枚看板があまりにも強く、MLB公式の先発ローテーションランキングでも1位で紹介されています。


ただ、27歳のピーターソンを除いて、全員30代。特にシャーザー、バーランダー、カラスコはそれぞれ38歳、40歳、36歳と年齢が高く、怪我、パフォーマンス低下のリスクがあります。千賀もMLB1年目で未知数な部分は否めません。


また、昨年に比べて大幅なグレードアップがあったともいえないのが実際のところ。

昨シーズン、唯一規定投球回数を達成したバシットがブルージェイズへ。157.1イニングを投げたウォーカーはフィリーズへ移籍。長年メッツの絶対的エースであったデグロムも抜けました。

そんな中、先発ローテーションの一角を期待したキンターナはケガで7月までは不在。

162試合の長いシーズンでは、いかにイニングを稼げる投手をそろえるかがキモになるため、ローテーションの中では比較的若い新加入の千賀にかかる期待はかなり大きいと考えています。


もちろん、個々の力は証明済み。
特にシャーザーの大舞台でのメンタリティ(ごくまれに4被弾7失点するケースもあり)、年齢不詳のパワーピッチをするバーランダーはポストシーズンでは頼りになる存在です。

なので、シーズンを通して如何に彼らの健康を保てるか、そのためにシーズン序盤は如何にリリーフがサポートできるかがポイントになりそうです。


が・・・


どうするクローザー

メタリカのエンターサンドマンに合わせて9回のマウンドに向かうリベラに続いて、ニューヨークのベースボールのシンボルになった、トランペットの演奏に合わせて登場するエドウィン・ディアズ。

昨年32セーブを記録し、62イニングで118三振を奪った絶対的クローザーが、プエルトリコ代表として出場したWBCでまさかの怪我。まさかの今季絶望。


クローザーの役割は当面、既存メンバーで流動的にやりくりするようです。


ここで注目しているのが、フィリーズから加入したロバートソン。
リベラ引退後の2014年にはヤンキースでクローザーを務めた経験があり、37歳となって球速は落ちたものの、リーグ屈指のカーブを中心に、キレのよい変化球で攻める投手です。


もしくはディアズの弟である、レッズのアレクシス・ディアズを獲得なんてウワサも。兄のためにメッツのクローザーになって同じチームで活躍するなんて、なんだかタッチみたいですね。



【野手編】

カルロス・コレアは見切ったけれども・・・

スキルを高級ブランドに例えられたり、

息子にI♡NYのTシャツを着せた画像をポストしたり


メッツは、世界の中心ニューヨークの大歓声を浴びてプレーすべき存在と思われたカルロス・コレアと契約したかと思いきや、足の怪我を懸念して白紙に戻した今オフ。

投手陣の大型補強に比べると野手陣の補強は限定的で、101勝をしたチームの主力のほとんどが残っています。

基本的に、野手の布陣は以下の通り。
キャッチャー:ナルバエズ(新加入)、ニド
ファースト:アロンゾ(昨年打点王)
セカンド:マクニール(昨年首位打者)
サード:エスコバー
ショート:リンドーア
外野:カナ、ニモ、マーティ
DH:ファム(新加入)、ボーゲルバック

特に、アロンソ、マクニール、ニモ、リンドーアは30歳前後で最も脂が乗っている選手であり、コレアがいなくとも実力的にも実績的にも今シーズンもある程度計算できる戦力が整っています。

そんな中で注目しているのが、


トッププロスペクトの成長

レギュラー陣が計算できる、ということは逆に言えば上昇の見込みも少ないというのも事実です。また、レギュラーが固定されると、ベンチメンバーとの差が産まれ、怪我で長期離脱になった時の急激な戦力ダウンのリスクもあります。

スポーツチームというのは生き物であり、常に新陳代謝をしていないと勝ち続けられないことは、長年MLBを見ていればよく理解しているはず。

そのため、MLBの中でも上位の若手有望株のアルバレス、ベティーの活躍には来季以降のメッツのことを考えても注目すべきだと考えています。

アルバレスは強打のキャッチャー。

スプリングトレーニング途中でマイナーに落ちたものの、それはキャッチャーとしてのスキルを十分に積むためにまだ時間が必要ということ。
ただ場ってイングの評価は高いので、メッツの打線が湿っているときの起爆剤になれるか注目しています。


ベティーは強打の三塁手。

昨シーズン、MLBデビューの初スイングでホームランを打っています。アルバレスと同じく、マイナー域になりましたが、今のメッツの穴はまさしくサードであり、シーズン途中、必ず彼のコールアップがあるはずです。


新加入の特急列車

昨シーズン途中に加入したラフを戦力外とし、滑り込みでロースター入りしたのがティム・ロカストロ。

この選手、昨シーズンはヤンキースにいたのだけど、かなり足が速く、MLBの中でも上位1%に入るレベル。加えてベースのサイズが大きくなり、ランナー有利となりました。

メッツはリンドーアとマーティを除いて、基本的には走れない選手が多いのが難点でした。

ロカストロは4番手外野手のファムに続き5番手という立場で、なかなか先発出場は少ないと思われますが、試合終盤の緊張する場面での代走起用には注目すべきだと思いす。



ニューヨークのホームランキング奪還なるか

1987年にマーク・マグワイアが49ホームランを記録して以降、30年間新人のホームラン記録は破られないまま、2017年にアーロン・ジャッジが52本を放ち記録を更新。

と思いきや二年後の2019年に53本でさらに記録を更新したのが、ピート・アロンソ。

ホームランダービーでも二連覇した経験のある、MLB屈指のホームランアーチストです。


昨シーズン、同じニューヨークに位置するヤンキースのジャッジがリーグのホームラン記録を樹立。次はアロンソが、記録更新なるか。注目しています。



以上がメッツの戦力分析と注目ポイントでした。

今日開幕するMLB。メッツの初戦はアルカンタラが先発するマーリンズ。


今シーズン、メッツ担当としてこのチームの情報を伝えていきたいと思います。



参照、画像引用元

https://baseballsavant.mlb.com/
https://www.mlb.com/
https://www.nytimes.com/2022/09/20/sports/baseball/max-scherzer-200-wins-mets-playoffs.html



いいなと思ったら応援しよう!

いただきなべべ
free

この記事が参加している募集