見出し画像

#12 宣誓、病気とはたたかいません。

 人生諦めて、自暴自棄になって、治療を放棄するとかそういうことじゃないので安心してください。(笑) これから病気とどう向き合っていけばいいのかという、心の持ちようというか考え方の話です。


 今日無事、退院することができました。結局退院までは31日を要しました。過ぎてみればあっという間な気もしますが、やはり長かった。長い長い1か月だったような気がします。なかなか病状が好転しない最初の10日間は苛立ちと不安に覆われ、転院した3日後には難病と告げられショックで、恐ろしくて。その間の明るい話題といえば、友だち2人がわざわざ15分程度のお見舞いのためにその何倍もの時間をかけて立川まで来てくれて真面目な本とバカみたいな本をくれたことと、実家から母が飛んで来てくれて顔を見たときに少し安心したことくらい。それはそれは暗い入院生活、まさにどん底でした。


 ですがちょうど入院期間の真ん中あたりからですかね、自分の病気のことを自分の事と捉えられるようになってこれからどうしていこうかと本当に少しだけど前を向けるようになってきて。バカみたいな日記にいろいろぶちまけながら。(笑) そんな中で、あぁこんな感じでこれから行こうかなと、すんなり腑に落ちたぼくなりのこれからの生き方というか考え方がタイトルの通り、


 病気とはたたかわない。ということなわけです。


 正直辛いっすよ、闘い続けるなんて。(笑)

だって勝てませんからね、絶対に。(笑) 

高校野球を3年間続けてきた人間の口から出る言葉じゃないかもしれないですけど。ぼくの病気は現代医学では治すことができません。だからいくらぼくが、この身体が頑張ったところで良くて引き分けです。勝負事に絶対はないと思ってましたけど、ここにありました。ぼくは絶対にこの病気に勝つことができない。絶対に。と、またずるずると沼ってしまいそうなところですが、ウルトラスーパーハイパー楽観的思考回路を持つぼくはふとこう思いました。


「じゃあ、闘わなきゃいいんだ。勝ち負けっていう発想を辞めよう、ノーサイド!」


ではどうするかというと、


「難病であることを自覚し、抱えながら共に生きる!」


 文字にすると恐ろしく当たり前でびっくりしますね。(笑) でも結局こういうことだと思ったんです。難病だからと言って変に抱え込んで落ち込む必要はないし、何か特別頑張らなきゃいけないとういこともない。ぼくの身体ではこういうことが起こっていて、それを受け入れてただ普通に生きていく。当たり前のことですけどね。


 これが正解だとは毛頭思いません。難病と自ら闘う意志を持ちながらも、イキイキと生きている人、歯を食いしばって必死に生きている人はたくさんいるはずですし、そこには敬意を表します。

 ただ、ぼくは自ら闘わないという選択をし、これまでと変わらず生きていく。この病気は敵じゃない。もう、ぼくの一部です。だから共に生きていく。今のぼくの答えがこうです。


 これまでは「入院日記」と題していろいろ書いていましたが、今日退院したことでこれからの日記は「入院日記」ではなくなります。あ、退院したけど日記は書き続けていこうと思っています。毎日はきついけど。そこでこれからの日記に付ける、何か取って代わる名前がないかなーと思っていたところ、とある小説に出てくる日記を思い出しました。

 その名も「共病文庫」。別に余命幾ばくもないわけではないし、誰かに膵臓を食べてほしいわけでもないですが、この言葉の響きをえらく気に入ってしまったのでこれからの日記は「共病文庫」としたいと思います。まとめたら文庫本何冊かになるくらい書き続けていくぞ!という気合も込めて。とりあえずクオリティは度外視して。(笑)


 というわけで、これからも気の向くままに日記を書いていこうと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。(^O^)/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?