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#3 この1ヶ月くらいの間に起こった事③

『ベーチェット病』

ふと漏れ聞こえてきた言葉をググってみると、真っ先にこの言葉が出てきた。
『指定難病』

難病とは次の要件を満たす疾患と定義されている。
・発病の機構(原因)が明らかでない
・治療法が確立されていない
・希少な疾患である
・長期の療養を要する
指定難病とはさらにその中で、患者数が概ね人口の0.1%未満であり、客観的な診断基準がある疾患と定義されている。

転院から2日後、担当医から病名と今後の治療について説明を受けた。当初は診断までに1〜2週間、治療に1〜2週間と言われていたが、かなり特徴的な症状が複数見られたこともあり早々に診断が出たのだ。
病名はやはりベーチェット病だと告げられた。
膠原病の一種で、免疫が過剰に反応してしまい自分自身の正常な細胞や組織までも誤って攻撃してしまう病気だ。左脚の血栓や高熱は典型的な症状であるらしい。

覚悟はできていたつもりだった。だが改めて面と向かって言われると、さすがに少しショックだった。またいつ症状が現れるか分からない、恐らく治ることはなく、一生治療が必要となるであろう病気をかかえてしまった。ちゃんと仕事に復帰できるだろうか?趣味の草野球をまた思いっきり楽しめるだろうか?ついこの前まで当たり前だった日常に戻れるだろうか?不安がいくらでも浮かび上がってくる気がした。
治療法は服薬のみだという。しかし、最初は強めの薬を多めに飲まなければならないらしい。当然副作用があるため説明を受けた。かわいらしいイラストとともに説明されたが、医師の話し方は淡々としていて言葉によりインパクトを持たせた。
高血糖症・糖尿病のリスク、うつ病のリスク、骨折・骨壊死のリスク…。ここまで来ると不安を通り越して恐怖すら覚える。いつまで続くか分からない入院生活、薬を飲んでいる間は常にこれらのリスクと隣り合わせ。様々な不安や恐怖が頭をよぎるが、一方でこう思う自分もいる。

なってしまったもんはしゃーない。
どんだけ考えても病気が良くなるわけでもないし、副作用から解放されるわけでもない。(今のとこ出てないけど)
まぁなんとかなるわぃ。
がっぷり四つ組んで堂々勝負したろやないかい!…いや、相手は難病だぞ。きっと一生付いてくる。そんな相手とずっと真っ向勝負してると、たぶんこっちの身体が持たない。ここは勝負じゃなくて、縁側でのんびりお茶するくらいの感じで、じっくり付き合って行こうじゃないか。その方が、病気さんも良かろうて。

ぼくには楽観的なところがある。ポジティブとはちょっと違う。流れに身を任せるというか、言ってしまえば呑気とか能天気なのだが、こういうときには自分の心を正常に保ってくれる便利な性格だ。

不安や恐怖といったネガティブな面と楽観的な面は交互に顔を出す。特に夜になり暗くなるとネガティブな面がより出てくる。だが、それもそういうものなのだから仕方ない。そんなときは明るく広い空間に行ったり、病室を少し明るくするだけでも気分は随分変わる。

消灯時間を過ぎ寝る直前が、1番いろんな感情が交錯する。毎晩ネガティブになるし、不安になる。あーでもない、こーでもないといろいろ考えてしまうがなんだかんだ結局最後は、なんとかなるわぃ。と心を落ち着かせ目を閉じる。

そしてゆっくり、明日を待つ。

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