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受動的にイヤイヤやるか、能動的にやる気を出すか

こんにちわ。
今回は『出口治明 人生を面白くする 本物の教養』についての記事です。

三宅香帆さん『なぜ働いていると本を読めなくなるのか』を読んで、「教養」というものに興味を持ち、いくつか本を読んで記事にしていますので、興味があればあわせて読んでみてください。

「教養」ってなんでしょうね?最近本屋でも「教養」というタイトルを見かけることが多くなりました。少し前に読んだ池上彰さんの『なんのために学ぶのか』という本の中で、出口治明さん『人生を面白くする 本物の教養』を紹介されていたので、一緒に読んでみました。




『人生を面白くする 本物の教養』  出口治明


出口治明
ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEO。七二年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て二〇〇六年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。

Amazon.co.jp: 人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書) : 出口 治明: 本

出口さんは、「教養」を人生を面白くするためのツールだと定義しています。ただ単に「知識を増やすこと」が教養なのではなく、「知りたい」「面白い」という知的好奇心に基づいて行動するのが「教養」なのだそうです。

「教養」ある生き方をしていくことで、感情的ではなく、数字や事実に基づいた判断ができるようになり、深く物事を考えられるようになるといいます。

それでは、そんな「教養」を身に付けるためにはどうしたらよいのでしょうか?

本を読む

「教養」を身に付ける定番ですね。出口さんは学生時代に、毎日14~15時間読書をして過ごしていたこともあったのだそうです。社会人になっても、寝る前の1時間は読書の時間にあてて、必ず本を読む時間を設けているといいます。
最近は、速読や要約もありますが、必ず自分の力で本を読み切ることをオススメしています。しっかり本に向き合えば向き合うほど、内容が自分の血肉となるためです。

読む本は下記をオススメしています
古典
何十年・何百年もかけて良く残っている書籍は、名作である
新聞の書評欄で紹介されている本
ベストセラーやワンジャンルだけではなく、多岐に渡る本が署名付きで紹介されているため、信頼度が高い
仕事上、必要な本
面白いか とは関係なく、さっさと読んでしまう。必ず仕事に役には立つ

本を読んで、数ページで自分に合わないと感じたら、読むのをやめる。数ページを過ぎたら必ず読み切る。など、自分ルールを設定しつつ、多くの本を読んで、どんなことに対しても「広く深い」知識を養っているそうです。

人に会う

出口さんは、会社の代表として多忙の中でも、人と会うことを大事にされています。会社員時代に、ロンドン駐在となり、片言の英語で知り合いもいない中、呼ばれたパーティーには必ず出席していたとのこと(英語は恥をかいてもとにかく回数を重ね、経験を積んでいった)
また、多くの人に会うために「打合せ資料は事前にもらって会う前に読んでおく」「事前挨拶は断る」「会う前に自社のHPを読み込んできてもらう」など、ルールを決めて、少しでも多くの人と会えるように無駄を省いています。
歴史書などから歴史上の人物を知り、その行動や考えを学ぶことも、また「人と会う」ことの一環だそうです。

旅をする

学生時代から目的を決めない放浪の旅を続けていて、現在でもホテルや目的地を決めずに海外旅行に出かけているそうです。
現地では、マーケットや地元民しかいない場所に出向き、現地(特に若者や女性)の生活から、社会事情や政治・経済状況を見聞きすることで、テレビや新聞、本からでは分からない本当の実情を理解するのだそうです。
また、美術品や古典が好きなので、美術館巡りや神社仏閣の参拝も、各地を旅する目標の一つにしています。


能動か、受動か


出口さんの「教養」ある生き方を読んでいると、仕事だからとか必要だからではなく、何にでも興味を持ち、意欲的に学んでいることが分かります。

私は以前、新しい仕事を頼まれるとイヤイヤやっていたのですが、働き始めて何年か経ち「イヤイヤやるよりも、新しい仕事は意欲的に取り組んだ方が自分の力になるぞ」と気付き、基本的に進んで引き受けるようになりました。

最近はもっぱら「自社在庫が多い」と指摘を受け、在庫管理のノウハウをYouTubeなどで学んでいます。以前取った簿記の知識も使うことがあり、非常におもしろいです。

仕事をし、家庭を持ち、子どもが生まれると、日常生活でも、何かと社会の一員として駆り出される場面が出てきます(町内会とかPTAとか)。そのときに、仕事で学んだExcelの知識や、大量のデータ管理技術、DX化を応用できるときがやってきます。
きた仕事をイヤイヤ引き受けるよりも、自ら能動的に引き受けた方がより自分の血肉となり、他の場面で活用できることが多いのです。

「教養」というのは「何にでも興味をもって取り組んでみて、得た知識が他の場面でも役に立つ」ということが、最大の強みなのではないかと思います。


「教養」は、複利の利いた投資


私は昔から読書は好きだったので、数多くの小説を幼いころから読み続けていました。それが成長過程で何かの役に立ったということはなく、むしろコミュニケーションが苦手だったため、本を読むより、現実に向き合って人付き合いを大切にすればよかったなあと、最近まで思っていました。

しかし最近、小さいころから本を読んでいたことにより、思考の言語化、状況や問題の分析力が、人より優れていることに気付きました。

最初は、ただ知的好奇心から学んで得た知識も、多くのジャンルを積み重ねることで、意外なところで結びつき、人の言葉を借りない、私独自の考えとして表象化してくることが多くなりました。さらに、これまで数多くの本に触れてきたことで、その漠然としたイメージを言語化して、人に伝えることができるようになったのです。

知識って投資信託みたいなもので、個々に少しずつ分散投資させていくと、あとで複利の力が活きて莫大な財産(教養)として返ってきます。


感情ではなく、数字・ファクト・ロジックで考える


まずは、いろいろなことに興味を持ち、丹念に調べて、ある程度深い知識を持つ。その繰り返しにより、知識が大きな財産となって「教養ある人間」と評される人になるのではないでしょうか。

出口さんの関心の広さ、見識の深さは、ご自身の考えに深く反映されています。本書の中で「感情による判断ではなく、数字・ファクト・ロジックで考えろ」と指摘していますが、多くのデータや知識に基づく判断ができれば、感情論というものはなくなります。(ヘイトスピーチが良い例ですね)

感情に流されない、数学的な考えを持つためには、役に立つ立たないに関わらず、まず目の前の事柄に興味を持ち、能動的に学び取っていく姿勢が大事。その姿勢を「教養」と呼ぶのだと、本書は教えてくれました。

さて、自分はといえば、出口メソッドでいうところの、本に全振りしていて、人や旅行(海外旅行)は苦手なタイプ。しかし、人に関しては「雑談は苦手だが、役割(仕事とかPTA役員とか保護者会とか)をもらえれば話せるぞ」という自己理解を最近得たのと、旅行は「子どもと思い出を作りたい!」というモチベーションで、なんとか経験値を積むことができそうです!
とにかく、失敗を恐れず、イヤイヤやらずに何でも楽しんで、物事に取り組んでいこうと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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