洗脳列島・日本で生きるために「自分を知る」ことを始めよう
あなたは、自分のことをどれくらい知っていますか? 好きな食べ物、趣味、そして将来の夢。それらは、私たちが自分だと認識しているほんの一部分に過ぎません。
近年、認知科学の分野では、人間の思考や感情がいかに複雑で、外部からの影響を非常に受けやすいかということが明らかになってきました。そして、この研究から導き出される結論は、驚くべきものでした。それは、「自分を知り、自分の感情を把握し、そして自分の思考に意識を向けることが、洗脳から身を守るために最も効果的な方法である」ということです。
洗脳は、なぜ起こるのか?
洗脳とは、他者の思想や価値観を無理やり植え付け、その人の行動や思考をコントロールすることです。一見、SFの世界の話のように思えますが、実は私たちの身近で、様々な形で起こっています。カルト宗教、マルチ商法、そして時には、身近な人間関係の中でさえ、洗脳は行われています。
身近な洗脳装置はあなたの部屋の中にある
一番身近なものならば「テレビ」は洗脳装置と言えるでしょう。朝のネガティブな話題のワイドショーの合間になぜCMが流れるのか?そのCMは誰を対象に流しているものなのか?ネガティブニュースを見た視聴者がテレビを消して出かけた後にとっている行動1つ、実は自分の意思で動いているわけではなく、そのように行動をプログラミングされている可能性が高いのです。
「あ、これ、買っておこうかな」
と手に取ったその商品、何かの番組と番組の間に流れていたCMの商品ではありませんか?自分の意思で決めていると思っていた行動が、実は何か意図的に操作されていたとしたら?
映画の中の話のようですが、これがあなたや私が過ごしている毎日の中で起きている「一番身近な洗脳」の1つです。
なぜ、人は簡単に洗脳されるのか?
では、なぜ人は簡単に洗脳されてしまうのでしょうか? その理由は、人間の脳の働きにあります。
私たちの脳は、外界からの情報を常に処理しています。そして、その処理過程において、私たちは無意識のうちに、自分の都合の良いように情報を歪めたり、無視したりする傾向があります。これを「認知バイアス」と言います。
認知バイアスは、生きていく上で必ずしも悪いものではありません。例えば、過去の経験から、ある特定の状況に対して警戒心を抱くことは、生存に有利に働くことがあります。しかし、この認知バイアスが過度に働くと、私たちは、客観的な事実を見ることができなくなり、他人の意見に振り回されやすくなってしまいます。
「自分を知る」ことの重要性
では、どうすれば洗脳から身を守ることができるのでしょうか? 答えはシンプルです。「自分を知る」ことです。
あなたは自分の「何」を知っているのか?
自分を知るということは、自分の思考パターン、感情の起伏、そして価値観を深く理解することです。自分のことをよく知っている人ほど、外部からの情報に対して冷静に判断することができます。なぜなら、自分の中にある確固たる価値観を持っているからです。
また、自分を知ることは、自己肯定感の向上にもつながります。自己肯定感が高い人は、他人の意見に振り回されることなく、自分の意見をしっかりと主張することができます。
対話の中で「なぜ、今自分はムカムカしたのだろう?」と感じては自分の内側に生まれた感情と向き合います。
例えば、目の前の相手に嫉妬した時には「なぜ、嫉妬心が生まれたのか?あぁ、そうか。この人は自分がやりたいことをすでに実現しているから僕は彼を羨ましいと感じているんだな」と自分に理解を向けるのです。
自分のことは誰よりも自分が知っている。
これは確かなのですが、あなたが思っている自分は誰かが「あなたはこんな人だよ」と貼り付けた「ラベル」を自分だと思っているかもしれません。
洗脳は自己肯定感を低くする
自己肯定感が低い…と悩んでいる人は自分に起きていることを振り返ってみましょう。
「いつも誰かに振り回される」
「自分の意見が言えなくて、相手の言いなりになってしまう」
「やりたいことも夢もある。だけど、夢を叶えられる人なんて一握りしかいないと言われて育った。堅実に生きないと」
これらは「誰かに振り回されることを許している状態」、あるいは、相手との関係性の中で「あの人は私より力がある。だから、従わないと」という洗脳をされていたりするのです。
また、やりたいことや夢があるのに挑戦できない人も「やりたいことや夢を叶えられる人なんて一握りしかいない」と言われ続けて、自分の考えではなく他人の考えを受け入れてしまっている状態です。
よく考えてください。あなたに「やりたいことや夢を叶えられる人なんて一握りしかいない」と言った人は夢を叶えた人ですか?おそらく、自分のやりたいことも夢も諦めて、追うことも夢を見ることもやめた人の言葉ではないでしょうか?
ならば、私からお伝えします。
やりたいことや夢を叶えられる人はいます。
なぜなら、私はやりたいことをやって生計を立てているのだから。
あなたはやりたいことや夢を叶えてない人の言葉をこれから鵜呑みにする必要はありません。なぜなら、それは事実ではないからです。
認知科学が教える「自分を知る」ための方法
では、具体的にどのようにして自分を知ることができるのでしょうか? 認知科学の研究に基づいて、いくつかの簡単な方法をご紹介します。
瞑想: 瞑想は、自分の内面を観察し、思考のクセや感情の動きを客観的に捉えるための有効な手段です。
日記: 日記を書くことで、自分の思考や感情を言語化し、客観的に分析することができます。
自己対話: 自分自身と対話することで、自分の価値観や目標を明確にすることができます。
カウンセリング: 専門家のサポートを受けることで、より深く自分自身と向き合うことができます。
あなたが日常の中で「やった方が良い」とすでに知っていることかもしれません。ですが、私個人として効果が見られると感じているものなのであなたにご紹介しています。
「ちょっと瞑想は苦手なんだよ」
「日記、良いのはわかるけれど続かないんだよね」
という人は瞑想、日記のような堅苦しいことをしなくても大丈夫です。
誰でもできる代替案をお知らせします。
瞑想・日記が苦手な人の自分を知るファーストステップ
この方法をお知らせして「できない!」という方は今まで一人もいません。その方法とは、
目を閉じる
です。逆に「目を閉じるな!」と言われる方が難しいでしょう?それくらい簡単な方法です。小さな子どもだってできるのに、あなたにできないわけがありませんよね?
「おいおい、馬鹿にしてるのか!」
そんなふうに思う人もいるかもしれませんので、簡単に解説します。
情報過多シンドロームの現代人
私たちは起きて活動しているだけで、様々な情報に触れ続けています。情報を選んでいるようで、選び切れてはいません。テレビ、ラジオ、ファミレスの隣のテーブルの会話、食事の味覚嗅覚を妨げるほどの安い香水の匂い、セーターを着る時のばちばち静電気、家の中と外気温の寒暖差ストレス、ありとあらゆる情報を全感覚を使って処理しています。
その中でも「視覚情報」は83%を占めると言われています。
(メラビアンの法則ではなく、人間の五感による知覚の話をしています)
今ほど「処理しています」と書きましたが、「処理しきれていない」のが現代人です。
五感を使って数え切れない情報を受け取っている上に、デジタルデバイス(スマホ、ゲーム、パソコン、タブレット等)を一人一台持つ時代となり、SNSアプリをいくつも使っています。自ら情報にダイブして、溺れにいくようなことをしているわけですね。
自分で使って、情報に疲れて、「あぁ、もうSNSなんて見たくない」と言いながらも、「情報に追いつかないと、みんなに取り残されそうで怖い!」と懲りることなくSNS上に自分の情報も開示し、他人の情報にも目を通すようなことをしているのです。
視覚情報をコントロールする
疲れ切った私たちの視覚、脳、そして、心。
「自分が何を選んで見ているのか?」という意識がないままSNSを開いているとしたら、それは他人の情報を無防備な脳に侵入させていることになっているかもしれないのです。
その情報から、一旦離れてみましょう。
そう、あなたはそっと、目を閉じれば良いのです。
情報の83%が瞬時に遮断されます。瞑想をしようなどと意気込む必要はありません。ただ、閉じれば良いのです。
目を閉じると、あなたは自分の瞼の裏しか見えません。黒いか、赤く見えるか、明るいか、暗いか。それくらいの情報しか得られません。
もしかしたら、部屋のテレビの音声が聞こえているかもしれませんし、外の風の音や車のエンジンの音が聞こえるかもしれません。音がしなくても、飲んでいたコーヒーの香りに気がつくかもしれませんし、あなたの使っているシャンプーの匂いが漂ってくるかもしれません。
視覚情報を遮断すると、他の感覚が少し鋭くなります。
目を閉じて、自分の内側の声を聞きましょう!なんて言いません。
あなたには「感覚」が備わっているという事実だけを感じ取って欲しいのです。
自分を知る、と聞くと自己対話したり、瞑想して思い浮かんだことと向き合うなどを思いがちですが、それ以前にやるべきことは「自分が持っている感覚を知ること」です。
「なんだ、私ってこんなにいろんなことを感じ取れる人間だったのか」
と気がつくだけで良いのです。
目を閉じるだけで気がつくのです。
この「感覚」が鈍ったままでは、どのような「洗脳されない知識」を学んだところで使いこなすことができません。
まずは視覚を遮断し、他の感覚を鋭くする。
自分の思考や心の動き、痛み、変化は五感が知らせてくれるからです。
まとめ
「自分を知る」ことは、洗脳から身を守るための最も強力な武器です。自分自身を深く理解することで、私たちは、他人の意見に振り回されることなく、自分の人生を主体的に生きていくことができるようになります。
あなたは劣っているダメな人間ではありません。
感覚が鈍っているだけです。
情報過多シンドロームに陥っているだけなのです。
だから、目をそっと閉じてください。
あなたの情報空間にある「感覚」を目覚めさせましょう。
認知科学の研究は、私たちに「自分を知る」ことの重要性を教えてくれます。ぜひ、今日からでも、自分自身と向き合う時間を作り、より豊かな人生を送ってください。