そうつぶやいたのは国内外で活躍する感染症内科医である。彼女の何気なく言ったそのひとことが、進路に迷っていた私の背中を押した。微生物レベルから患者集団レベルまで、ズームの段階、つまり視点を切り替えながらアプローチできることが感染症に携わる醍醐味であるという意味であったのだろう。当時はその言葉の真意を正確に捉えることができなかったにもかかわらず、まるでこどものように心の底からワクワクしたのを鮮やかに記憶している。 その出会いから数年の間に、臨床から研究にフィールドを移しながら感染
大規模災害時の公衆衛生の目的は、「防ぎ得る死とニ次的健康被害の最小化」とされる。そのためには、切れ目のない医療提供体制の構築、避難所等での保健予防活動と生活衛生の確保が必要である。つまり、予防的なアプローチを通じてみんなの健康を守るのが公衆衛生の役割だ。 地味だけど、アツい。
はじめまして。ナベイカです。 いろいろな経緯を経て、現在は公衆衛生の世界で医師をしています。 国内の公衆衛生医師はコロナ禍を経て絶滅危惧種となりつつあります。それだけコロナが公衆衛生業界に与えたインパクトが大きかったということだと理解しています。そこで2023年、日本の公衆衛生医師の生態を守る#カモノハシプロジェクトをひっそりと立ち上げました(メンバーはまだ私ひとりですが笑)。 noteの「ナベイカのホンネ」を通じて、いろいろな情報を発信し、多くの方と繋がっていければと思いま