結局、日本人は英語ビジネスに搾取される
最近、とあるTOEIC対策本に目を通す機会がありましたが、その内容に驚きと悲しみを禁じ得ません。
端的に言えば、編集がひどく雑で、「もったいない」と感じざるを得ませんでした。あの原稿が手元にあれば、2倍は良い本にできる自信があります。それほど、編集の粗さが目立っていたのです。
確かに、その本は「本」としては成立しています。しかし、あの本を手に取る学習者にとって、使いこなすには苦労が多すぎます。TOEIC対策のために高額な教材を購入する学習者が、肝心なところで躓いてしまうのは本末転倒です。
「頑張って作った編集者がかわいそう?」という意見もあるかもしれませんが、僕はそうは思いません。
真に「かわいそう」なのは、その本を使う学習者であり、全力で内容を書き上げた著者です。編集の力不足で学習者が効果的に学べなければ、その損失は計り知れません。
英語ビジネスが学習者を搾取する現状
英語ビジネスが日本で大きな市場を持っているのは確かです。しかし、現状を見ると、学習者に寄り添った教材が少ないと感じます。どんなに教材が増えても、使い勝手や学習効率が考慮されていないものが多く、かえって学習者に余計な負担を強いることが多々あります。
その背景には、「ビジネスとしての英語」が、あくまで利益を優先する傾向があるからです。学習者は高額な教材を購入し、試行錯誤を繰り返して、ようやく成果にたどり着く。
けれど、そうした時間や労力が効率的に使われているとは限りません。言語がツールである以上、本来は学習をスムーズに進められるような工夫が必要です。
学習者の立場で考える教材づくりが必要
こうした状況に対し、僕ができることは、学習者の立場に立った教材づくりとサポートです。英語教材は単に「売れる」だけでなく、使う人が成果を上げられるものでなければ意味がありません。優れた教材とは、学習者の力を引き出し、目標に向かって支援するためにあります。
そのためには、どれだけ教材に編集者のこだわりや学習者目線が反映されているかが重要です。
これからも、僕は教材の質にこだわり続けます。そして、学習者が無駄な労力をかけずに、効率よく成果を出せるような教材を提供するために動き続けます。
日本の英語ビジネスの現状に異を唱えながらも、学習者を支える道を追求し、真の学びを提供していく。それが、僕の目指す英語教材プロデューサーとしての在り方です。