2017年3月 青春18きっぷの旅3日目前編(博多→吉松)
2017年3月に実施した青春18きっぷで鹿児島を目指す旅です。
今回は3日目前編の記録です。
博多から鹿児島本線を南下し、八代で肥薩線に乗り換え鹿児島を目指します。
※肥薩線は2020年7月の豪雨災害により、八代ー吉松間が運休中、再開の目途が立っていないため、現在この旅は再現不可能になっています。
博多→八代
早く起きれれば八代に向かうまでに三角線へ寄り道をしようと考えていましたが、昨夜の時点で早々に諦め、鹿児島本線でまっすぐ向かうことにしました。
7:39発 博多 鹿児島本線 普通荒尾行
当たり前ですが、熊本へは在来線よりも新幹線を利用してもらいたいわけで、接続のいい列車はほとんどありません。
9:28着 銀水
9:33発の普通八代行に乗り換えました。(多分)
11:04着 八代
八代→人吉(肥薩線)
11:06発 八代 肥薩線普通人吉行
単行のキハ40に乗車したと思います。
八代を出発後、しばらくは進行方向右手に球磨川を眺めることができますが、鎌瀬駅の先で川を渡るり、川の眺めは進行方向左手に変わります。
上流の流域面積に対し、下流の流路は狭く、鉄道も明治時代の低い技術で建設されたまま改良されずに川のそばを走るため、洪水が発生したら線路は被害を避けられない状況であることがお分かりいただけると思います。
肥薩線は海側の路線(現肥薩おれんじ鉄道)が完成するまでは鹿児島本線でした。(最短経路かつ敵艦艇からの艦砲射撃による被害を避けるために内陸に建設。)昭和2年に海側の路線が完成すると、鹿児島本線としての機能は無くなったため、戦後に改良されることなく今日に至ります。
12:18着 人吉
人吉駅にて
当時は九州のD&S列車の聖地と言わんばかりに人吉にはいろいろな列車が集まってきていました。2020年の豪雨災害では観光用車両は無事でしたが、路線の復旧はどうなることやら。軽い気持ちで復旧してほしいとは言えないレベルで被災してしまっているので見守るしかないですかね。
旅は行きたいと思ったときに行っておくべきだとつくづく思います。
当時デビューしたばかりの「やませみ」「かわせみ」
くま川鉄道の田園シンフォニーも留置されていました。
人吉→吉松(いさぶろう3号)
人吉駅では1時間ほど乗り換えの時間がありました。
13:22発 人吉 いさぶろう3号(普通列車)
普通列車とはいえ、ほぼ全ての座席が指定席です。ドア近くの車端部のソファーのような座席が自由席ですが、ここは地元住民の方向けの座席です。
実際に当日も人吉から矢岳まで地元のおばあさんが利用されていました。
この列車の座席について事前に調べていたため、指定席は前日の小倉駅で購入しておきました。ボックスシートでしたが、平日であったため相席にはなりませんでした。
列車はこの先大畑、矢岳、真幸にそれぞれ5分間停車していきます。
駅観光できるようなダイヤ設定でした。
大畑駅
スイッチバックとループ線で有名な大畑駅には13:39に到着。
人吉からも尾根伝いに上ってきましたが、大畑駅を出るときは上り勾配の距離を稼ぐためにスイッチバックとループ線を使って上っていきます。
矢岳駅
加久藤カルデラの外輪山である矢岳を越える手前に矢岳駅があります。実は峠を越える前のこの駅が肥薩線最高地点だそうです。
14:10の到着でした。
日本三大車窓へ
矢岳駅を出発するとすぐに峠越えのトンネル(矢岳第一トンネル)を通過します。吉松方面へ向かうときは下り勾配になります。
トンネルのそれぞれの入口に当時の最高責任者である逓信大臣山縣伊三郎と鉄道院総裁後藤新平の四字熟語の石額が飾ってあるそうです。
詳しくはこちらをご確認ください。
この偉大な方の名前をお借りして、いさぶろうしんぺい号となっています。
肥薩線の日本三大車窓はカルデラの内側に入ってから広がります。
鉄道の絶景になる条件は峠越え時に両側の標高差が大きいことです。
上の地形図を確認していただければわかりますが、人吉側は標高が高い地形が続いていることに対して、吉松側ははカルデラ(外輪山)のため、一気に標高が低くなります。峠を越えた先の地形と標高に合わせてトンネルを掘るため、吉松側では等高線に沿って少しずつ遠回りしながら山を登っていかなければなりません。この遠回りの線形が素晴らしい車窓をもたらしました。
長野の姥捨も同じような標高差により生まれた車窓です。両者の違いは地形の主成因がカルデラであるか川の浸食であるかの違いですかね。
真幸駅
日本三大車窓を過ぎると間もなく真幸駅に到着しました。
14:38発 真幸
14:48着 吉松
3日目前編はいったん吉松駅で区切ります。
沿線の皆様の生活が通常に戻り、また肥薩線の旅ができることを祈っています。
後編は鹿児島へ向かい、路面電車にも乗ります。
読んでいただきありがとうございました。