ナショナリズムと交易

ナショナリズムと交易。前提として、優れた美術家は大抵ナショナリズムを本質に持っているということがある。リチャード・プリンス然り。その上での交易の重要性。19世紀後半のヨーロッパ美術に大きな影響を及ぼした北斎。反対に日本もヨーロッパ美術から同様のことがなければならないが、それを排除した東京美術学校設立(1887年)に象徴されるように(フォンタネージに学んだ浅井忠らはそれに反対した)、今日に至るまで大方が自閉路線を取っている。20世紀後半以後はアメリカ美術、そこでもクレス・オルデンバーグのソフト・スカルプチュアは草間彌生から、マイク・ケリーの工藤哲巳言及というように、北斎の場合とは異なる非対称関係はあるが、やはり日本側からは概ね閉じている。この自閉を国粋主義と呼ぶ。90年代以後のグローバリゼーションとそれは矛盾しない。

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