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電子書籍と原田マハ


何を思い立ったか、

この前初めて電子書籍を買った。

それが、この「本日はお日柄もよく」である。

前々から読んでみたかったというのもあるが、

何しろ私は、
これまで断固として紙書籍派だったので、

帰省前に本屋へ立ち寄ってから
新幹線で読もうと思っていた。

しかし、
年末の駆け抜けるような忙しさにより、
本が買えず、
でも帰省中にどうしても読みたかったので
今回渋々電子版を購入することにした。

いざ電子書籍にすると
紙のように手間がかからないので
紙の本より少し値段が安かったり、
スマホさえあればいつでも読める為、
荷物が嵩張ることがなかったりで、
思っていた以上に良いこと尽くしだった。
そんでもって、
帰省中にはまさにもってこいでもあった。




話はそれてしまったが、
ここからは内容について話していこうと思う。

この本は、
簡潔に言うと、メーカーの総務部に勤めていた普通の女性が、1人のスピーチライターと出会ったことにより、自身も政治家お抱えのスピーチライターになるまでの話である。

30万部も売り上げる程のベストセラー小説で、
2017年には、比嘉愛美主演で、テレビドラマ化もされた大変有名な小説である。

私はこの本を読むまで

スピーチライターという職業を知らなかったが、

今まで知らなかったことが恥ずかしいくらい、

スピーチライターという職業や、

言葉の持つ魔力が

どれほど素晴らしいものかを

思い知らされることとなった。


言葉ひとつで人生が変わるなんて
実に馬鹿げた話である。

本当にその通りである。
私もそんなわけないと思っている。
しかし、
この本では主人公のこと葉とその幼馴染である厚志の運命や人生を大きく変えた。


それも言葉ひとつで。

この小説には、実に10個以上のスピーチが登場する。

しかし、そのどれもが未だに忘れられない。

ハッとさせられ、心がじんわり温かくなって、思わずポロッと涙してしまうあの感じ。

私はすっかり原田マハの虜になってしまった。

読み終わった後に
まるで毛布に包み込まれているような
ほっこりとした温かい気持ちになった。


「言葉を贈る自分も、贈られる側も、一生忘れないようなエピソードを。」



小説を読んで1番印象に残った言葉がこの一文。

人生を変えるほどの言葉って一体何だろうか。

私はおそらくまだ出会ったことがない。

でもそんな言葉に出会えた時、

人生が変わっても変わらなかったとしても、

私たちはその言葉を一生忘れることはないだろう。


テレビドラマや小説、偉人の名言、自己啓発本、駅や電車の広告、どっかのカフェなど、
言葉は日々、街の至る所に溢れている。

溢れてはいるが、
その時出会った言葉が自分の印象に残るかどうかは
その時の自分の感情が全てだと思う。

でも少なくとも、
印象的な言葉の数々は
私たちに共感や勇気を与える。心がジーンと熱くなる。頑張ろうと思える。

私もいつか、
そんな温かい言葉を紡ぎ出せる人になりたい。


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