完成まで約1年かかった「抹茶もゆきクッキー缶」ができるまでの歴史
明日、8月4日から始まる渋谷スクランブルスクエアでのポップアップ。
2週間という、抹茶専門ブランド「千休」史上最長の催事となりました。
(2週間以上のイベントはラオックスさんやb8taさんでもやりましたが、自社運営としては初の試みです!)
そんなポップアップに向けて新しく発売となる
「抹茶もゆきクッキー缶」
このクッキー缶が出来上がるまでの道のりは、とても長いものでした。
自分の思い出として残しておくためにも、商品企画から販売までの軌跡を綴ります。
抹茶もゆきクッキー缶とは?
抹茶もゆきクッキー缶は、京都府産宇治抹茶を贅沢に練り込んだ3種類の抹茶クッキー缶です。
スノーボールクッキー
絞りクッキー
ディアマンクッキー
の3種類の詰め合わせで、抹茶の美味しさを満喫できるギフトなどのシーンにぴったりなクッキー缶をつくりたいという想いで手掛けました。
ラッピングも、和×かわいい×上品を目指して、茶筅(ちゃせん)や茶杓(ちゃしゃく)など茶道で使用する道具や、お花をイメージした絞りクッキーなどをあしらい、柔らかい雰囲気に。
パケ買いしたくなってしまうような、ときめきを詰め込みました。
着想は1年前…「抹茶スイーツのラインナップを充実させたい」という想いから
千休では、現在、米粉の抹茶フィナンシェがレギュラー商品としてあります。
抹茶スイーツのラインナップはたった1つしかなかったのですが、大変嬉しいことに「フィナンシェがおいしいから、千休の他の抹茶スイーツがほしい」とのお声が多く、アイデアもたくさんいただいていたので何か作りたいと思っていました。
そんなときに「パクッと食べれて幸せな気持ちになれるもの」と考えて、いろいろ出したアイデアのうちのひとつが抹茶クッキーでした。
そして、クッキーだとしてもギフト用としてつくるならクッキー缶がいいかもしれないとったのが、今回の商品開発のはじまりです。
どんなクッキーの構成がいいか迷う2〜3ヶ月
最初は3種類ではなく、スノーボール一択で行こうと思っていました。
いろいろなクッキーを買いに行ったり食べてみたりして、スノーボールが一番人気で、自分自身もおいしいと感じたからです。
缶に綺麗に詰めるとお花っぽくなって可愛らしい雰囲気に。
抹茶のクッキーとしても、グルテンフリーのクッキーとしても、本当においしいものができあがりました。
パッケージも固まって「これでいこう!」と決意したとき…
家族から「なんかクッキー缶なら四角がいい」「四角の方がギフトにしたい」という言葉をかけられたのです。
はっとしました…
確かに、私自身もギフトを買うとき、潜在的に「BOX」をさがしていました。
四角い形の方がリボンラッピングをした時なども「ギフト」とわかりやすい見た目にすることができます。
ぱっと作ったものの、千休の商品がよく使われるシーンを想起すると、今回のスノーボールクッキー缶はちょっとずれるかも…と思ったのです。
着想から3ヶ月…家族の声を元に、2種類にして四角いクッキー缶にしてみる
「四角い方がいい」ということで缶を探していましたが、そうなると、1種類では食べていて飽きる…と思いました。
他社のクッキー缶も、少なくとも2種類以上入れて販売しているところが9割です。
だから、千休のクッキー缶は「四角い缶に2種類」という条件で作ってみることにしました。
スノーボールは決定で、もうひとつをどうするか…
スノーボールが比較的甘めで抹茶の味がほんのり感じるものだったので、もっと抹茶をガツン!!と味わえるクッキーを入れたいと考えました。
抹茶サブレの開発
そこで出てきたのが、抹茶のサブレです。
必要最低限の装飾で全く見た目は映えないのですが、シンプルな分、抹茶の味は抜群に感じます。
いろいろな濃さをつくって、後味に抹茶の苦味を感じる濃いめのものを入れることに決定しました。
後に、いろんなパティシエさんに、サブレに入れている抹茶の量を伝えたら
「そんなたくさんの抹茶を入れたら、良い抹茶じゃないと、渋みとかえぐみがすごくて食べれなくなるよ」
と、とても驚かれました。笑
飲むこともできるくらい美味しい抹茶を入れている功績かもしれません。
抹茶スノーボールの開発
スノーボールもサブレと同じく抹茶を感じやすいシンプルな素材にしようと考えていましたが、サブレがシンプルなので被るなと…。
全体のバランスを考えて、食感をもう少しプラスしたいと感じはじめました。笑
そこで粗めに砕いたアーモンドを生地に練り込むことにしました。
ものによって、アーモンドを砕いたときの大きさや食感がちがうので、そこを決めるにもたくさん悩みました。
すでに着想から半年…2種類のクッキーを缶に詰めてみる
「さて、2種類のクッキーが出来上がったところで缶に詰めてみるか!!」となったところでトラブルが。
クッキーをちょうど良い大きさに焼き上げて綺麗に缶に入れることができない
スノーボールの粉糖がサブレにかかってしまって一面雪景色に
ぴったり詰めないとクッキーが割れる
いわゆる皆さんがイメージするような、蓋を開けた瞬間、ぎっちりと詰まったクッキー缶をやろうとすると、いろいろ問題が起きることが発覚したのです。
「でも…どうしてもこの2種類で発売したい!このコンビが抜群」と試作を行って感じたので、解決方法のひとつとしてそれぞれを袋につめて入れることにしました。
スタバがこの方法をとっていたので、参考にしました。
理想とは若干違いましたが、今できることのベストだと思って、これをまず販売して、お客さんの反応をみることに決めました。
着想から1年以上…長い道のりの末、『抹茶クッキー缶(2種)』をオンラインで発売!
あれ…今書いていて気づいたのですが、3種類の缶が出来上がるまでに1年以上経ってますね…笑
2種類のクッキー缶を発売するまでに1年以上かかっていて、3種類ができるまでに2年弱くらいですね。笑
プレスリリースとかには1年て書いてしまっていますが、もっとかかってました。
紆余曲折あって、やっと発売できたのが「抹茶クッキー缶(2種)」です。
決して見た目は映えませんが、購入してくださった方がSNSで拡散してくださり、かなり良い売れ行きとなりました。
この詳細に関しては、別のnoteに書いたので、是非ご覧ください。
着想から15ヶ月…同時並行で理想の抹茶クッキー缶制作をスタート
2種類のクッキー缶を発売たときにはすでに、お客様の声を聞きながら、パワーアップした缶をつくろうと考えていました。
それが、8月から発売する「抹茶もゆきクッキー缶」につながっていきます。
種類を増やしてもっとバラエティ豊かに…
そしていろんな抹茶の表情を1つの商品で感じられるように…
そう思って加えたのが、抹茶絞りクッキーです。
抹茶絞りクッキーの開発
シンプルなサブレと、サクサク甘いスノーボール。
この2つと組み合わさった時の相性を考えたときにベストだったのが、抹茶絞りクッキーでした。
お花のような可愛らしい形に、ギュッとつまった抹茶の味が印象的で、味も食感も他の2つの中間くらいのイメージです。
見た目も華やかになることから、入れることにしました。
でも…そうすると…また「アレ」が気になってくるのです。
全体のバランスです。
バランスが絞りクッキーを入れたことでちょっと崩れたので、他のクッキーを調整することになりました…笑
抹茶ディアマンクッキーの開発
ギュッと抹茶を感じられるシリーズのサブレですが、「苦くて好き!!」という方もいれば「もう少し甘くてもいいかも」という方もいました。
その声を受けて、抹茶サブレから抹茶ディアマンクッキーに変更することにしました。
周りにお砂糖がついてキラキラ輝いているように見える、ダイアモンドが由来のディアマンクッキーです。
これがもう、本当においしくて…
事前の試食会では、かなり人気でした!(スノーボールが圧倒的人気をほこっていますが笑)
全体のバランスと食感の棲み分けもかなりよくなって、この3種類でクッキー缶の内容を決定しました。
スノーボール:ほろほろ
絞りクッキー:サクサク
ディアマンクッキー:ザクザク
どれも食感が違って、味も違うので、抹茶味の感じ方が大きく変わります。
基本は同じクッキーでも、これだけ感じとり方が変わってくるのか…と驚くほどです。
ぜひそれぞれの違いを味わってみてください。
着想から17ヶ月…トラブル発生。抹茶クッキーって扱いが難しいと感じた瞬間
「やっと完成した…見た目も味もバッチリだ…」
と思った矢先。
配送テストをしていたサンプルを開けたら、スノーボールクッキーの「スノー」の部分がなくなっていたのです!
3月から開発が進んでいたのですが、時が進むこと2ヶ月。
5月くらい暖かくなり
長時間揺られて保管されていたこと
抹茶自体が吸湿性があるので湿っぽくなってしまうこと
が重なって、抹茶がないてしまいました。
(写真みたいな状態になることを"なく"といいます)
もう、わたしも抹茶スノーボールクッキーと一緒に泣いて…
もう少しで発売スタート!というところで起きたトラブルだったので、膝から崩れ落ちそうなくらい脱力したことが今でも蘇ってきます。
今思えば、このトラブルがお客様にお届けする前に発覚して本当に良かったと感じています。
ただ、当時は早くお届けしたい思いが強すぎて、発売はまだできない状態なことがわかって悔しくて悲しかったです。
粉糖をなかせないために、奮闘する日々
とにかくどうすればいいのか分からなかったので、身近にいるお菓子を作っている方や、コミュニティメンバーにたくさんききました。
そして何回も配送テストして、確認してもらってはフィードバックをもらって、作り直してを4〜5回繰り返しました。
これだけで1〜2ヶ月はかかりましたね…
この経験があって、改めて抹茶ってとても繊細でお菓子にするのは難しいものだと痛感しました。
そして、商品開発は簡単じゃないとも思い知らされたときでもありました。
着想から20ヶ月…ついに抹茶もゆきクッキー缶の発売がスタート!
(まさか20ヶ月もかかっていたとは…笑)
レギュラーにするべくかなり力を入れたものだったのと、扱いの難しさでここまで時間がかかってしまいましたが、ついに8月4日から発売します!
米粉をつかったグルテンフリーの抹茶クッキー。
かなりシンプルな素材でありながらも、美味しい味を実現することができました。
お客様の反応を見てからでないとなんともいえないですが、私の中ではかなりの自信作です!!
みなさまのお口に合いますように…。
1日20缶限定で販売しています。
価格は、税込3,180円。
大切な人への贈り物やちょっとした自分へのご褒美に、ぜひご活用ください!
渋谷でお会いできるのを、楽しみにしております!
ポップアップの詳細
場所 :渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン1階 東急フードショーエッジ内 Event Stage1
出店期間:2022年8月4日(木)~8月17日(水)
営業時間:10時~21時
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